私がみた女子校の世界
琴和 こむぎ
第1話 女子の嫌う
こんにちは、琴和こむぎです。これは、私がみた女子校の世界です。
女子校というと、なんだか特別で、憧れるキラキラしたものなのでしょうか。
それとも、女子特有の嫉妬、悪ふざけなどがあるような学校なのでしょうか。
どっちかというと、嫉妬や悪ふざけが多い気がするのです。女子だから、男子の取り合いもない、恋愛もないから楽、というのは間違っていません。
ですが、女子校には女子なりのものがあるのです。それは、楽しいものもあるけれど、少し怖くて、少し悲しいです。
私は、中高一貫校の女子校でした。高校受験がなく、よっぽどのことがない限り転入生はいません。
私は、1-4組でした。1-4組は、33人クラスです。入学式から1週間から2週間で、クラスはグループで行動するようになりました。私も3人グループで行動していて、とても楽しい毎日でした。ですが、一人だけクラスの中で嫌われている女の子がいました。その女の子の名前をミナという名前とします。
ミナが嫌われていた理由は、体の色が黒くて、毛深くて、髪がぼさぼさで、眉毛が太く濃くて、あまり好ましくないにおいがする、という理由でした。私が聞いた会話は頭の中でしっかり覚えています。
ユウコ「ねえ、ねえミナさんってちょっと気持ち悪くない?」
ハナノ「確かに、きもいよね」。
ユウコ「うち、あんま好きじゃない」。
この日は、ユウコとハナノ、私たち三人グループで帰っていました。みんなは口をそろえて言います「ミナってきもい」。この言葉に衝撃を受けていました。
ああ、女子ってこういうことなんだ。そうなんだ、楽な世界じゃないんだ。女子でも嫌われるんだ。男子いなくても女子さえいれば悲しくなるんだ、と。
私は、そう思っていました。
ある日、私はミナと朝一緒に学校へ行くことになりました。たまたま、後ろにミナがいたから。私は、なんかよくわからないけれど、クラス全員とは仲良くしよう主義で、嫌みや悪口は言わないタイプでした。ほかの人が悪口を言っていても、私だけ黙っていて、今思うと不自然だったかもしれません。
ミナと一緒に学校へ行くと、いろいろなことが分かりました。中1にして、英語検定の準1級をもっていること、お母さんがオーガニックのクッキーを作ってくれていること。とても、嫌われているとは思えないほど中身が可愛い女の子だったんです。
時々、私の話を聞いてニコっと笑う姿がとても可愛くて、悲しかった。そんな私だけど、ほかの人の会話が聞こえました。
「あのこ、男子じゃない?なんで女子校通っているんだろうね」。
この会話を聞いたとたん、ミナのことだとわかりました。だから、この会話を聞いたとき、急にミナから離れたくなったんです。ミナと一緒にいたら、私まで何か言われるかも、離れたい、一刻も早く行きたい、と。そう思いました。でも、それは少しの間。ミナと話していることがとても楽しくて、そんなことも忘れてました。
そのうち、ユウコが言うことにたいきれなくなっていきました。ミナがきもい、きもすぎる。それに、ミナと私が少し仲が良いことをユウコは知っていました。だから、だんだんユウコに嫌われているような気がしました。
後から、私のお母さんに聞いた話ですが、ミナのお母さんと私のお母さん、ユウコのお母さんは仲が良いらしいのです。特にミナのお母さんと、ユウコのお母さん。生徒同士は、あまり関係がないのだけれど。
そして、一年生も終わりという日に、喧嘩をしてしまったんです。
下がその喧嘩内容です。
ユウコ「まじでいやなんだけど、ミナのお母さんとうちのお母さん仲いいんだ
よ」。
私 「いいじゃん、別に」。
ハナノ「うん、お母さんと子供は別だよ」。
ユウコ「そうだけどさあ、ねえ?」
私 「え?」
ユウコ「なんか、エキスとかついてんのかな、みたいな」。
ハナノ「エキス?」
ユウコ「うん、きもいエキス。だから、うちのお母さんうつったらやだし」。
ハナノ「ふうん、それで?」
ユウコ「だから、近づかないでってミナさんに言おうかなって考えてる」。
私 「それは、ないんじゃない」。
ユウコ「え、なに」。
私 「それは、ないんじゃない?」
ユウコ「何様のつもりですか」。
私 「もう、ミナの悪口言うのやめな」。
ユウコ「どうして」。
私 「あなたは、ミナのすべてを知っているの?知り尽くしてるの?ミナの笑顔
を見たことがある?あの子、すごいかわいい笑顔すんだよ?あんたより
ずっとかわいい笑顔する。あんたなんかより、ずっと良い。ちょっとは
考えなよ。人の気持ちっていうやつ。あなたがしていることは、差別、
差別だよ」。
ユウコ「え、なになに。急にどうしたの」。
こう言って、帰りました。今でも少し後悔をしています。友情をダメダメにしてしまったから。だけど、ユウコと私の友情なんてこれっぽちもなかったのかも。
私も人目を気にする内気な性格です。私も、今思うと結構ひどい性格だったのかも。人目を気にしすぎて、いじめのようなことも心の裏でやっていたんですね。
第2話 へ つづく
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