第26話 DDRパフォーマンスプレイが流行りだす!

ナーヤとズーの2強のどちらが先にMANIACパラノイヤをクリアするかと言う話題で盛り上がっている中、数名のプレイヤーがまるで示し合わせたかのように突然違ったプレイを楽しみだした。

最初はプレイしながら1回転するターンを無駄に回っていた程度であったがそれを皮切りに次々と様々なプレイヤーが独特のプレイをし始めたのである。


『シンクロニシティ』


意味の在る偶然の一致と言う意味合いで使われるこの言葉で在るが切欠はやはりナーヤとズーである。

二人によりこのゲームの最高難易度を見る事が出来た事でクリア重視のプレイヤーは遊びに走ったのだ。

そして、これこそがDDRの真の楽しみ方でも在る。

酒場のマスターはそれを見ながらどんどんエスカレートするプレイスタイルに止めるべきかどうするべきかロクドーに尋ねる為にロクドーを呼び出したのであった。


「大変ですロクドーさん!」

「ん?君は確かマスターの所のバイト『トーシバ』じゃないか」

「あっ読者への紹介感謝です」

「ん?読者?」

「へっ?あっいやっ・・・それより大変なんです!DDRで変なプレイする人が大量に現われて・・・」

「おっもしかして!」


ロクドーは物凄い嬉しそうな表情を浮かべてトーシバの言葉に耳を傾ける。

そう、ロクドーの元居た世界でもDDRと言えばパフォーマンスプレイで大盛り上がりを見せた時代があったのだ!


「よし、行くよ!」


丁度来ていたナーヤはロクドーにMANIACパラノイヤをコーチして貰っていたのにロクドーが何も言わずに出て行った事に腹を立てつつエミと共にトレーニングを続けるのであった。

そして、酒場に戻って来たトーシバとロクドーであったがロクドーが見たそれは予想の遥か上を行くものであった。


※興味ある方はY●uTubeで『ddr freestyle』と検索してみよう♪


元の世界でもDDRのパフォーマンスと言えば歌いながらプレイしたり回りまくってみたり背面で踊りを踊りながらプレイ等多種多様に進化をしていた。

しかし、ロクドーの目を疑う光景がそこに繰り広げられていた。


ある者は火を吹いたり魔法で火を出して隣に吊るした肉を焼きながらプレイしたり・・・

またある者は横から放たれる攻撃魔法を回避しながらプレイしたり・・・

またある者は隣のプレイヤーとマジで武器を使っての格闘をしながらプレイしたり・・・

ロクドーは頭を押さえながら叫ぶのであった。


「過激なプレイは周囲の迷惑を考えてやれぇぇぇぇえええええ!」


こうしてフリースタイルプレイにおけるルールが異世界で義務付けされたのは言うまでも無いだろう。

このまま行けば空中浮遊しながら3次元DDRとかやりだしそうだったので・・・

だがこういう規制は反発を生むのを理解しているロクドーは発散の場を考えた。

そして、酒場にその日に張り出された1枚の紙が新たな火種となる・・・


『キングオブフリースタイルダンサーズ!開催決定のお知らせ!』


こうして新たなるDDR熱が燃え上がる事となるのであった。

そして、丁度その頃・・・


「やった・・・ついに・・・やったよ!?」

「おめでとうナーヤちゃん!」


そう、MANIACパラノイヤをナーヤがクリアしていたのであった。

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