第69話名前

 桜は料理と小説修行に力を入れるようになりました。


 不器用な桜には不思議なことでしたが、プライベートと仕事を上手く両立することができました。


 他の障害を持つ人ともそこそこに上手くつき合っています。


 仕事を一緒にする内に、助けたり、助けられたりということがあったからです。


 本当に少しずつですが、桜は我慢強くなっていっています。


 ある日、小説を書いた後で桜は電話をしました。


 今ではすっかり気兼ねなく話すことができる彼氏に伝えました。


「私、小説を書くなら、本名じゃなくちゃダメだと思っていた。でもね」


 桜は言いたいことを言わずにいられません。いつも、つき合ってくれる彼氏に感謝です。


「私はそんな人間じゃないと思ったの。私が名前を出したら不快になる人が沢山いる。だから、ペンネームを使おうと思うの」


「よく考えたね」


 彼はよくやった、という風に桜を誉めました。


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