　暴れる元気もないくらい、桜は落ち込んでいました。

　彼と別れて何もすることがない。

　何もないなら、自分で作ればいい。

　桜はイベントを企画しました。

　移行の人達数人に声をかけて、部屋を借りました。

　それだけでは満足できず、SNSで参加者を呼びかけました。

　すると、借りた部屋に、男の人が一人きました。

　桜より少し年上でしょうか。

　その人は移行の人達を見ても、眉を潜めたりしませんでした。むしろ、明るく積極的に話しかけます。

　この人は、誰だろう。

　桜は気になりました。

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