手を繋いで


幸せを築くのに

特別なものは必要ないと

貴方は言った


アンバランスな私の心

ハンデを抱えた貴方の身体


本当に助け合えるか

何度も確かめ合ったね


決心したのは

今まで出会った誰よりも

互いを大切に思えたから


街中で手を繋ぐのは

人混みに弱い私が

不安にならないように


夜道で手を繋ぐのは

目の悪い貴方が

転んでしまわないように


楽しいだけの恋愛なら

いくつか経験していた


だけど

ひとりで生きていくつもりだった

ひとりで生きなければならないと思っていた


私という重荷を背負う覚悟を示してくれたのは

自らも重荷を背負う貴方だった


ならば私も

貴方という重荷を背負おう


もしかすると

社会の力を借りなければならないけれど


もしかすると

後ろ指さされるかもしれないけれど


ひとりで生きるより

ふたりで生きる方が

むしろ険しい道だとしても


手を繋いで歩きたい

暗い夜道も

人混みの中も

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