革靴

澱んだ池

奥深く底を臨むも

光は届かず

ただ見えるのは

ゴミばかり


行き交う人の

表情は暗く

目と口とは

がらんどうで

呼びかけても

返らぬ声


ある時池は

ゴミで埋まってしまった

遠くから高笑い

けれどそれは

「助けて」と言っていて


何もなくなった池

そばにあるのは

小さな水たまりと

誰かの革靴

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