猫、酒、仕事

アラボッチ

冬の日は寒い

北海道は旭川、真冬となると氷点下10度を下回ることも珍しくない北の街である。空気が細い針のように肌を刺し、指はかじかみ、歯の根は合わず、鼻毛は凍り、唇は鉄の味になってくる。というと言葉が過ぎるが、とりあえず寒い。とにかく寒い。

暦が3月になろうが容赦なく寒いし、春は今頃遥か彼方地平線の向こう側でのんびりお茶でも飲んでるに違いない。だって気配すら無い。


寒い日には極力外に出たくなくなるのが人の心というものであって、私も人間捨てていないので当然外に出たくない。もっと言うと、仕事に行きたくない。仕事に、行きたくない。暖かな布団から抜け出したくない。

人類が誕生して幾年月が流れたかは知ったこっちゃないが、とりあえず農耕に狩猟に戦争にと長いこと働き続けての現代。そろそろ働かなくても生きていけるように社会が変わっていってもいいんじゃないかと思う。

人は何のために科学を発展させてきたのか。楽するためでしょう。では究極の楽とは何か。働かないで衣食住満たされることでしょう。

あと50年くらい経ったたらロボットが人類の代わりに労働を代行し、人類はただ暮らしていくだけの世界ができあがっていると私は信じたい。未来にそれくらいの希望は持ちたい。50年後にそれが許されるなら今から私が働かないで生きてってもいいじゃないかと声高く主張したい。駄々捏ねるように主張したい。


ということを、我が家の猫に切々と語るのだけど全然話を聞いてくれないから、冬の寒い朝に負けそうになりながら挫けた心を引きずって今日も仕事に向かうのです。

寒いと風邪も流行るし体調崩すし外出たところでいいことなんかほとんど無いよ。ほんと。熊のように冬場は冬眠すればいいんだみんな。インフルとか人類が冬場引きこもってたら流行りようがないんだからさ。

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