201706202126

砂浜は現実味が薄かった、地平線の向こうまで砂粒が敷き詰められているし、地球が平らであるのなら端から零れ落ち続けるのは硬くて終わらない滝だ。だがある時砂にうずくまっていると、地殻の方から音がしている、ふと顔を上げると視界の端にはめくれた砂浜の面だった、そこを剥がすと私は砂浜が一枚の板であったことに気づいた、何もすることがなく元の床の木目を眺めていると、めくる途中で拾い上げてポケットに入れた蟹のことを思い出し、ふと出してやると蟹は木目にも沿わず横に歩いていった

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