バイトの分際で

「今あなたなんて言いました? バイトの分際で、ですって? はは、ちゃんちゃらおかしい。独和辞典を持ってきてarbitenと引いてご覧なさい。正社員以下の未熟練労働とでも出てきましたか? 意味は「働く」。そう、あなたたちと一緒ですよ。イッヒはねアルバイテンしていることに誇りを持っておりますぞ。ああ、私としたことがIchにはarbiteですな。まあとにかくパートタイマーならともかく、アルバイターを貶すことは止めて頂きたい」


「ちょっと待ちなさいよ! それは遠回しにおばちゃんはあんたたちに劣るといいたいの! そもそもね、フルタイムに囚われてる時点であんたたちは古いのよ。働き方はタヨウカしてるの。らいふわーくばらんすが重要な時代なの。この仕事は私の全部じゃなくて、重要な一部分。社畜になって自分の人生を全て捧げるよりよっぽど良い生き方だと思わないかい、えっ? なんとか言いなさいよ正社員様!」


「いや、俺派遣社員なので」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る