第18話 おっさんの休憩 

 まさか分岐地点から新たなほうへ進んでたった5分で次の階段へたどり着くとは・・・・と思いつつ

催促されたので俺から飛ばされた先のことを話すことにした。


「わかった・・・んー まず転移された場所なんだが・・・」


と切り出し四方を壁に囲まれた体育館というか倉庫みたいな場所で多数のたぶん174体のボーンナイトに囲まれ何とか倒したこと、数については魔石が174個だったからたぶん間違いないだろうということその際 槍が壊れたこと 倒した後 薬草と毒消し草を摂取し気を失ってたこと 目が覚めたが出口がなかったのでドロップ品などを集めながら出る方法を探していたら、転移陣がでたので一か八か入ったら

飛ばされる前の場所にでてきて皆に合流できたことをできるだけ細かく話した。


「っとまぁ・・・・俺のほうはこんなもんかなぁ」


といい皆を見たら ブルーノさんは苦虫をかみつぶしたような苦痛の顔を浮かべ、リュートは蒼い顔でこっちをただただ茫然とみている、慧は手を組み合わせめずらしく真剣な目で俺をみていた。


「ふぐっ・・・・」「ぐすっ・・・・・」


ニーニャとリオンはうつむいたまま泣くのをこらえているようだ


「・・・あらためて・・・・いわせてくれ・・・・助けてくれてありがとう・・・きっと俺だったら飛ばされた先でおっちんでいただろう・・・・アマガイ・・・・ほんとうに・・・生きて帰ってきてくれてありがとう!!!」


ライルは涙を流し立ち上がり俺に必死に頭をさげてきた。


「いや、体が勝手に動いてしまっただけなんだ・・・・きっと俺の性分なんだろう またみんなと合流できたし もういいじゃないか」


とライルの肩に手を置くとライルが顔をあげ おまえが困ったことが合ったらこっちでも地球に帰っても必ず俺がたすけにいくからなっ!と言って 笑ってくれた。

あぁ あてにするからな? いざとなったら時効だとかいうなよ?と 冗談めかしていい

お互い笑いあった。


「とりあえず・・・本当に無事でよかった・・・・次は俺らのほうだが・・・」


とブルーノさんが俺と別れた後のことを話してくれた。

俺を探すために一度入り口までもどってくれたことや色々考えて動いてくれたことに礼をいった。


「それでどうする?このまま次に行くかここでマッピングするか」


という俺の問いにブルーノさんは


「いや、今日はここでキャンプをして明日、下へ下がろう」


といい皆それに従うことにした俺も休めるのなら少しやすみたかったので賛成した。


「アマガイさんとりあえずこの布濡らしたのでこれで体を拭いて血を落としたほうがいいですよ」


と慧が俺に濡れた布を渡してくれた 礼を言い上着を脱いだ、脱いだ上着を見たら背中がぱっくり切れていて黒く変色しているしあちこち切れていた。

おもわず


「こんなに切られてたんだなぁ」


と他人事のようにいい リュートに呆れられたが、ふと寒気のようなものを感じ振り返ると

ニーニャとリオンが俺を食い入るように見ていた。


「そんなに見なくてももう怪我はないから大丈夫だぞ」


と俺が伝えると二人は声をそろえ念のために!と鼻息荒く答えた。

お・・・おぅ・・・でも大丈夫だし、すこし恥ずかしいからというと

リオンが背中の血が落ちてないので吹きますと手を差し出してきたので礼を言い布を手渡す。


「ハァハァ・・・・では失礼します。」


とリオンがいいニーニャが舌打ちした。


その光景を残りのメンバーが苦笑・呆れ・羨望・ニヤニヤしながら見ていた。


「じゃぁ 次は私が拭いてあげるよ!」


と満面の笑みで俺の下半身を見ながら手を出してきた。

さすがに下はダンジョンからでてからじゃないと何かあった時身動き取れないからいいと

色々な意味で命の危険を感じなんとかそれを回避した。


「ニーニャさんは向こうに旦那さんがいるじゃないですか!」


とリオンが言ったが仲間の身を案じているだけだよと?それにアマっちゃんも向こうに妻子がいるからね?とケロッとニーニャが返していた。


「見張りについてだが今日はアマガイは休んでいてくれ残りのメンバーを3つに分ける」


とブルーノさんがいい皆がそれに従う旨を言っていたがさすがに悪いので俺もやることを伝える。

どうせあまり眠れそうにないしなというとでは最初の組にはいることになった

なので

俺とブルーノ

ライルとニーニャとリオン

リュートと慧の組でやることになった。


 それぞれ携帯食を食べ眠りについた

俺はブルーノに鑑定スキルを持っていないか?ときくとLV3だが持っているというのでサーベルと短剣2本を見てもらうことにした。


 どのランクでどのくらいの武器なのかはLVが低くわからないが呪いはないようで安心した。

そして俺が拾った魔石とアイテムも皆と分けるつもりのことを伝えると気持ちはうれしいが、それはきっと皆が断ると思うぞと笑っていた。


今回の転移陣は購入したマップに記載されていなかったので帰ったらギルドに伝えることにした。

それはブルーノさんに任せることにした。


交代時間を知らせる蝋燭がまだ3分の1ほど残っていたがライルとニーニャとリオンが起きてきた。


なんか色々あったからか眠りが浅くてな・・・少し早いが交代しよう ゆっくり休んでくれと言われ

悪い気がしたが向こうは折れるつもりはないようで俺とブルーノさんが折れて早めに休ませてもらった。


いざ、横になり目を閉じると今日の出来事が走馬灯のように思いだされた。

そして、・・・・死ななくてよかった・・・・まだ帰れる可能性が続いてる

という安心と次は無事に帰れるのかという不安が入り混じり結局眠れず

見張りをしている3人のもとへ行ってみた。


「よぉ やっとるかね?」


と俺が言うと3人が少しびっくりしたが周りに気を使い小声で寝ててくれと言ってくるが

俺がなんだか眠れないんだというと笑いながら輪に入れてくれた。


「今日は色々あったなぁ」


という俺にライルが ありすぎだ と小さく笑い ほかの二人もつられて笑った。


「そうだ!さっきブルーノさんに鑑定してもらったんだが俺の武器は呪われていなかったよ」


というとリオンが よかったです と胸をなでおろし ニーニャが武器?と聞いてきたのでいきさつを話し よかったね といってくれた。

ライルは しかし、あの人はなんでもこなすな とブルーノさんの万能さに呆れていた。


「それでさぁ ニーニャ ちょっとニーニャの短剣みせてくれないか?」


俺がいうとニーニャが普通の初心者装備のただの短剣だよ?と2本の短剣を手渡してきた。

それを受け取りみてみると少し傷んでいるようだ。

そして思った通り俺のドロップした短剣のほうが質がよさそうだったので


「これ飛ばされた先でドロップした品なんだがよかったら使ってくれ」


とベルトからホルダーごとドロップした短剣をはずしニーニャに渡すと 


「うけとれないよ!それはアマっちゃんが命がけでドロップしたもんじゃん!」


と立ち上がりながら断ってきた、どうせ断るだろうと思っていたので次の手に移行した。


「では、今までニーニャが使っていたものとそれを交換しよう」


というとニーニャは うっ と言葉をつまらせて ふせがちに小さな声で ありがとう といって座った。


ニーニャがこれ見よがしにリオンにみせリオンがうらやましそうに見ていた。


そうこうしていると次の見張り組が起きててそこにブルーノさんも居た。


結局全員寝付けず皆で少し話をして身支度をし携帯食を食べ6階に進むことにした。

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