The ARK
Laffey 459
第1章 伝説の英雄
序章
ビッグバン、それは宇宙で最初の大爆発。これは天文学者のガモフらが唱えた説で、一説によれば約150億年前に起こった大爆発により、超高温、超高密度の状態から急膨張し始め、急激な温度降下の過程で素粒子を生成し、今日の宇宙ができたとする理論である。証拠に膨張宇宙、宇宙背景放射、元素の存在比などが上げられる。しかしながらそれが正しいとは言えない。何故ならばまだ正確に証明出来ていないからだ。後に産まれた人類が宇宙の起源を証明出来るはずもない、という考えはいつの時代でも変わることはない。
ところが、この星の人間は別の考えで産まれ育ち、語り続けては死んでいった。この星の人間はアークと呼ばれる神が宇宙を創ったと信じている。そして宇宙誕生と同時に生まれたこの星、アークが宇宙の起源を知る重要なものだと語り継がれているのだ。
惑星アークはアークレイツ星系の12個ある惑星の内の10番目の星である。大きさは地球の2倍だが重力は地球とほぼ同じでその他全て地球と似たような環境である。
自転周期は24時間ではなく48時間と長いが、公転周期は365日で地球とは2年も違う。この星は地球と違い、人間の他に様々な種族の生物がいる。鳥の翼を持った鳥人や魚の尾が付いた人魚、果ては鋭く尖った角を持って争う牛人などが当て嵌まるだろう。その中で人間が最も文明の発達した生き物であるとされている。人間はいつの時代でも自分たちが正しいと思っており環境を変えてでもその言動に揺るぎはない。
惑星アークも地球と同じ歴史を辿るのだろうか、はたまた別の歩むべき道を進むのだろうか。人間が不老不死で生き続けなければそれは誰にも分からない。
ある種族を除いては。
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