第2話
初オフ会は総勢60人が集まる大規模な会となった。
初めてオフ会に参加するのは、楽しみよりも不安と緊張の方が強かった。
しかし、いざ会場へ行ってみると、今までの不安は何だったのだろう。
HN(ハンドルネーム)を聞いただけで、湧き上がる興奮。
初めて会う人たちなのに、不思議な親近感。
昔からの知り合いかのように馴染み、盛り上がる。
それと同時に、チャットでイメージしていた姿とのギャップに驚きもあった。
(異様にギャップがあった人は皆から距離を置かれる存在となってしまった・・・。)
オフ会後のチャットは少しずつ変わり始めた。
リアルの相手を知った事により、今まで以上に親密になる人たちや距離を置く人たち、
オフ会には参加していなかった人たちや新規のチャット参加者たち。
『派閥』なようなモノができ始めた。
その派閥なようなモノが幾つも重なり、チャット内の会話がゴチャゴチャし、
『みんなで楽しむチャット』から『仲良しグループでのチャット』に変わり、オフ会も主に仲良しグループの集まりになっていった。
ネットがキッカケで、『チャッ友からリア友』へ。
毎月、毎週とリアルで集まるようになった友たちとの関係が無くなる事はない。と思っていた。
けれど、結局はインターネット繋がりの人たち。
突然現れなくなる人もいれば、それぞれの生活環境が変わり、1人、また1人と友が消えていく。
『チャッ友からリア友』から『一時的な友達』
そう思うようになっていった。
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