第3話 入学試験1
ここはクロンベート国際都市。
その中央に位置するサルドミナル学園では体内の魔力変換を行い、剣や杖などの武器を具象化させる訓練を受ける所である。
戦うのは300km四方の街(仮想空間)らしい。
この世界では異世界から転移されてくることはごくたまにあるらしく、一番近くの貴族が保護し、サルドミナル学園に入学させるようにするのがルールなのだそうだ。
つまりこの世界の教養をしっかり学べっていうのが本心だろう。
と、先ほどメイドさんらしき人が教えてくれた。
なので、入学試験を受ける為に今は学園の正門前に来ている。
「お待たせしました。それではこの結晶に魔力を流して下さいませ」
手のひらサイズの青い水晶を手渡された。けど魔力ってどうやって流すんだ?
「あぁ、すみません。軽く握るだけで大丈夫ですよ」
首を傾げているとそれに気づいた教員は簡単に教えてくれた。なるほど、握るだけで魔力は流れるのね。
「おぉっ」
くっと軽く握った瞬間に綺麗な赤色に輝いた。
「すごいですね、こんなに早く色が染まるなんて…」
おっ?これは褒められているのかな?ちなみに妹も同じ感じだった。
「では次は魔力変換の技術を測ります。どの程度具象化できるのか調べるためですので気楽にやってみましょうか。」
具象化はイメージらしい。剣をイメージしたら剣が生まれるそうな。イメージが固まっているほどしっかりとした武器が生まれるので初めての人は剣の柄すら具象化できないのが普通だ。
「わっできた!」
何を具象化させようか迷っているうちに妹が先にイメージを形作ったみたいだ。
「「………」」
俺も教員さんも呆けてしまった。
「ふふーん、どーよこの盾~」
そう、盾なのである。しかしその大きさがおかしいのだ。妹がドヤ顔しながら掲げている盾はもはや壁。30mはある巨大な壁なのだ。
巨人もびっくりである。
「…うーん……どうだっ!」
俺も負けじとイメージを浮かべる。
「「「………」」」
出てきたものを見てみんな固まった。
それはどこからどうみても―――
――刀を持った可愛らしい少女だったのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます