第3話 スタジオにて‐莉緒side‐

今日はスタジオで練習だ。黒華が居なくてもブラサー(Black Circus)のラスボス(リーダー)としてしっかりしないと。と、気合い入れて登場したのにも関わらず、厄介事が起こった。

「何があったのよ?」

「俺らが予約した直後に新しく予約が入ったらしいんだけど、もう部屋がいっぱいでさ。譲ってほしいらしい。」

因みにこの子は一人称が「俺」だけど、ワイルドガール(笑)のAKIRAだ。

「なんで私らがが譲らなくちゃいけないのよ。先に予約したのはこっちでしょ。」

って言ってから分かった気がした。

なぜ譲ることを強制されているのかを。

そして、暁は私に耳打ちした。

「カーストだとよ…。」

「やっぱそうだよね…。」

チッ、と心の中で舌打ちした。


カースト、正式にはG-BANカースト。こんなださい名前つけたの誰よ、って話だけど。これこそ、この業界でめんどくさいものはないと思う。事実な話、ブラサーはKUROCAの失踪のおかげで、盛大にカースト下位に突き進んでる気がしないわけでもない(いや、しない!)。

でも、上位でも下位でもカーストのトラブルに直面したのはこれが初めてだ。今まであまり気づいていなかったのだろうか。


「とりあえず、どうする?」

と、その時嫌な声が聞こえた。


「あら、ブラサーの皆さん方じゃん!」

私は声の方を見た。


独特な雰囲気の塊が立っていた。

……SUN SISTERSだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る