第452話銀座、日本橋散歩(18)

史たちの一行は、日本橋人形町の甘酒横丁に入った。

様々な下町らしいお店が並んでいる。

人形焼の店、おせんべいの店、たい焼きの店、豆腐の店、京菓子の店などの食べ物系のお店に混じって、三味線の店、つづらの店、竹製品、藤製品、木製品などの日用品のお店もある。


史が一言

「ほんと、昭和って感じ」

愛華も、興味深そう。

「なんか、いい雰囲気やなあ」

加奈子は、つづらのお店で

「京都の家の倉庫にあったかも」

と、同じものを探している。

由紀は

「ご飯のおひつって、なんかいいなあ、お米も美味しいのかな」

と、涼子に尋ねると、涼子はニッコリ。

「うん、それは、おひつの方が美味しい」

「どうしても電気釜は、保存では味が落ちる」


そんな話をしていると、史はソフトクリームを何個か買っている様子。

史が

「甘酒ソフトだよ」

と、全員に配ると

愛華

「これは・・・上品な甘さやなあ」

加奈子

「マジで美味しい」

涼子

「あら、さすが史君、気がきくねえ」

由紀

「たまには、こういうことをする、誉めてあげる」

と、評判も上々。


史は歩きながら、

「じゃあ、最後に人形焼のお店に」

と、全員に声をかけ、人形焼のお店の店頭に立った。


ここで愛華は、またうれしそうな顔。

「いろんな種類のお顔があるんやなあ、七福神やて」

加奈子は食欲がわいた様子。

「登り鮎や、白あんとなあ、ここで食べとうなる」

由紀は、少し悩む。

「餡が入っていないのもあるしなあ、それも美味しそう、でも餡が入っているのも食べたい」

涼子はいろいろ買っている。

「これでマスターも私も甘い物好きなの」


結局、子供たちは涼子と同じような状態。

好き好きに、様々な種類を買っている。


史が涼子に頭を下げた。

「良かった、車で帰れます、かなり重たくて大きいので」


涼子も、ニコニコ。

「いやいや、こういう若い人たちと一緒だと元気が出るの」

「いい気分転換だよ」

「じゃあ、まずはカフェ・ルミエールに寄って、お土産を渡しましょう」


全員が異存がなかった。

一行は、涼子の車で、カフェ・ルミエールに向かうことになった。




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