第279話史の京都散歩(2)

史は、一人で新幹線に乗って、様々考える。

「珍しく一人だ」

「いろいろあったなあ、でも、たまには一人旅もいいな」

「東京土産と横浜土産も買った」

「京都だと、和食かな」

「でも、案外、ニシンそば食べたい」

「加奈子ちゃんのいう集まりって何かな」

「クラシックかな、スーツだからジャズは考えられないけれど」

途中まで、様々考えていたけれど、結局眠くなった。

晴天で期待していた富士山も寝過ごした。

目覚めたのは、京都駅のアナウンスがあった時。


「わ!やばい、京都を過ぎちゃいそうだった」

まだ、頭がボンヤリするけれど、家で淹れて持ってきた珈琲を一口。

それで、少し落ち着く。

ようやく目も覚めた。

「なかなか、この水筒は役に立つ、温かいままだ」

当たり前のことに、感心したりもする。


京都駅について、新幹線を降りて改札口まで歩くと


「史くーん!」

聞こえてきたのは、加奈子の声。


史は

「あ!加奈子ちゃん!」

史も気づいた。

確かに、改札口の前に、加奈子が立っている。

「迎えに来る」と言った約束だったと、思い出した。

結局、「ちょっとまだ寝ぼけ気味」である。


そして改札口を出ると

加奈子

「史君!わざわざありがとう!」

と、しっかり握手をしてくる。

史も

「うん、お久しぶり」

と返す。

少しニコニコしている。


加奈子は

「それでね」

と意味深な顔をする。

史は

「え?何?」

と聞くと


加奈子

「どうしても、史君のことを見たいって言う人がいるからさ」

「連れてきちゃった」


史が

「え?」

と、また聞くと加奈子の後ろから、一人の女子高校生が出てきた。

すごく上品、そして可愛らしい顔をしている。


加奈子

「愛華ちゃん、史君と同い年なの」

「私と同じ学園で、旧宮家の御家柄」

加奈子が、愛華を紹介すると


愛華

「はじめまして、史君、加奈子さんからお話はいつも」

本当に、お上品なご挨拶。


史は

「え・・・マジ?」

「お話って何?」

いきなり「顔が真っ赤、カチンコチン」状態になっている。





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