第261話vs芸能スカウト(1)

父の晃も帰ってきたので、史の尾行をする芸能スカウト対策をすることになった。


「現段階では、家まで尾行してくる程度で、声もかけられていないから、犯罪までには至っていない」

由紀

「そうは言っても、史を狙ってきているんでしょ?何されるかわからないのに、対策は立てようよ」

美智子

「内田先生のレッスンの日は、送り迎えをするかな、付き添いで」

「それもねえ・・・子供みたいだ、恥ずかしい」

由紀

「子供だもの、史って」

「ここで口争いはやめなさい」

と、たしなめる。


たしなめられた由紀も考えた。

由紀

「母さんじゃなくて、私が付き添うかな」

史は

「えーーーー?姉貴?」

と面倒そうな顔。

結局、たしなめられた効果が全くない。


美智子

「送り迎えをしても、付き添いしても、逃げるだけだね」

「ああ、いい噂は聞かない、きっぱりと断る、それも何回もしないと」

「だいたいのバックが反社会的集団だ、何をされるのか心配だ」

美智子

「でもねえ、警察は明らかな犯罪事実がないと全く動かない」

「ストーカー事件が多発するのも、それが原因」

「通報してあっても、警察の怠慢というか、本当に何かが起こってからじゃないと全く動かない」


由紀

「それでも万が一があると困るから」

と晃と美智子を見た。


晃と美智子も、すぐに察知した。

「マスターと大旦那に言うってことかな」

「一応ね、本来は我が家で解決するべきことだけど」


美智子

「マスターはともかく、大旦那は心配性だから」

親たちは、いろいろ考えて、なかなか進まない。


由紀は結局、親たちの対応を待っていられなくなった。

そのまま手に持ったスマホで、マスターと大旦那に連絡の一報を送ってしまったのである。


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