スープと毛布
彼女が小さな風邪をひいたので
僕は大きな鍋でスープを作る
塩と胡椒を鍋に入れ
僕の心を鍋に入れ
刻んだ野菜を鍋に入れ
ぐるぐると
とろとろと
全てが鍋と溶け合うまで
僕はスープをかき混ぜる
彼女が小さな咳をするので
僕は大きな毛布で彼女を包む
冷えた指先は飴玉のよう
乾いた唇は草原のよう
僕を見る瞳は月のよう
ふんわりと
ぎゅうぎゅうと
彼女がくすりと笑うまで
僕は毛布で彼女をあたためる
風邪が立ち去っても
咳が消え去っても
スープと毛布はここにあるから
僕と一緒にここにいるから
僕は言って、彼女の側で笑う
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