花の柩
男は柩の前に立っていた
赤い花で作られた
甘い香りをまとう棺
男は柩の前で泣いていた
柩の中に横たわる
あの娘のことを思いながら
「この柩は、僕が作ったんだ」
掠れた声で男は呟き
「この花が、君は好きだったね」
震える指で男は柩に触れる
男は柩の前に立っていた
赤い花は娘を包み
赤い柩は娘とひとつになる
男が作った柩は咲き誇り
男が愛した娘は花になる
満開の花の柩に、男は触れる
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます