屋上の天使

午後三時、空を見上げたら

怖いほどに青かった


見上げた先のビルの屋上には

ひとりの天使が立っていた


私の知らない歌を

天使は朗々と歌い上げ

やがて、屋上から飛び立った


午後七時、帰路の電車の中

私は天使の歌声を思う


あれは喜びの歌だったのか

それとも悲しみの歌だったのか

それとも、意味など持たない歌だったのか


いつかまた会えるだろうか

あの天使に

いつかまた聞くことができるだろうか

あの歌声を


電車の窓から見えるビルに

天使が佇んでいる気がして

私は窓の外をじっと眺めていた


あの歌を忘れまいと、眺めていた

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