別れと抱擁

忘れることなどできない

忘れてしまおうと思わない


私は覚えていたいのだ

彼らと交わした言葉を

あの時に聞いた「またね」の挨拶を


優しい思い出にしたくない

悲しい記憶にしたくない


そこに残していたいのだ

あの時に彼らと交わした抱擁を

また会えるはずだった笑顔を


消し去ることなどできない

消し去ってしまおうと思わない


私はこの体に刻んでおきたいのだ

あの時の別れと抱擁を

あの水と共に旅立った彼らの瞳を

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る