草の指輪

少女の指には緑の指輪がある

草の香りのする

二つだけ作られた指輪


少女は指輪の香りを吸い込む

草原を歩くあのひとの香りを


指輪に口付け少女は走り出す

同じ緑の指輪を持つ

あのひとのもとへ


草の指輪よ

少女を導け

緑の指輪よ

少女をいざなえ


あとひとがいる草原が今、開かれる

指輪と同じ緑の草原が今、少女を包む

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