第4話

「よし、じゃあ現実世界へ戻るか」

俺はスイッチを手に持って言った。

「1人で大丈夫ですかの?わしは神谷家第13代当主としてはずれられんのでの」

第13代当主ねえ…。今は何代めなのかな。俺は気になったので聞いてみた

「今は何代目なんだ?」

俺は軽い気持ちで聞いた。だが、これなのちのち“すごい”ことを呼ぶとは思いもしなかった。

「それがの…、今当主はいないんですよ」

寿太郎さんは暗い声で言った。

え?当主はいない?どういうこと?


「わしは第13代当主、第14代当主がわしの息子 “神谷 蓮”と言いまして…。しかしわしの息子 蓮は5年前40歳という若さで他界したんじゃ。

急遽15歳のわしの孫ー蓮の息子 新 ーが第15代当主となったんじゃが、その一年後に事故で死んでしまった…」


え?15+1は16だろ?16歳で…。かわいそう。俺は手を合わせ拝んだ。


「そして、新が他界して1週間後、事故で親を亡くした“鈴香”を神谷家が引き取ったんじゃ」


どうりで楓さんと歳の差があると思ったら…。これまたかわいそうだ。異世界も物騒だな。俺が手を合わせ拝んでいると、寿太郎さんが思いもよらないことを口に出した


「今、神谷家に当主はおらぬ。第13代当主だったわしもこの歳じゃ。そこでお主にお願いじゃ、神谷家の第16代当主になってくれんか?」


フアッ!?今なんて?俺が、神谷家の第16代当主?無理だ無理だ!

俺は頭の中がパニックになった。

「嫌ならやらんでもいいんじゃが…、お主には現実世界の生活もあるだろうしの。」


うんうん、現実世界の生活があるんだ。今、現実世界がバイオハザードになっていても、…いつか必ず…。


「無理しなくてもいいんですよ、優さん。しかしそれなりの優遇はあると思いますよ?」


楓さんがにっこりと笑っていう。それなりの優遇ってどれぐらいの優遇だ?てか、楓さんって蓮さんの娘なのかな?20歳くらいにみえるから、おかしくはないけど。俺はこっそり楓さんに年齢を聞いた

「失礼ですが、今おいくつなんですか?」

「ふふっ、何歳にみえる?」

「うーん、20歳くらいかな?」

当たってろよ。ていうか当たってるはずだ。しかし楓さんの口から飛び出してきたのは…


「あらっ、私もっと若いわよ?18歳だもの」

じゅ、18歳〜!若えー!

「じゃあちなみに寿太郎さんは…」

「寿太郎さんは70歳ですよ」


よーし状況を整理。寿太郎さんは70歳、蓮さんが5年前40歳で他界。70-5=65。蓮さんが他界した時は寿太郎さんは65歳。65-40=25。寿太郎さんは25歳の時に蓮さんを産みます…、ーいや男は産まないか。これは悲しいなー。

この後の計算だれかよろ〜。わけわかめになってきたのでパス。

「何を難しい顔をしてるですか?」

「いや、ただちょっと考えてただけですよハハ…」


そして俺はさっきでた優遇について聞く



「優遇ってどれくらいなんですか?」

俺はストレートに聞いた。別に当主になるのが嫌なわけではない。ただ、ここは異世界、俺が暮らしてる現実世界とは違う。そこが気がかりなだけだ。


「そうじゃのー、豪華な食事、接待、この屋敷を持てるなどいろいろあるが…。お主の場合は+1されるのお。新はまだ結婚していなかったので子供もいない。と、いうことは第16代当主のお主が他の女性と結婚し、他の女性に産んでもらう。お主はまだ異世界にきたばかりだから、結婚相手に蓮の娘“神谷 楓”を推薦しよう。」



フアッ!!!!!また、とんでもない言葉が飛び出した。楓さんと結婚!?あの美人な人が俺の嫁さん!?そういうのってありなの?必要なのはお互いの気持ちだろ〜〜!?

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