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「電話をかけたのですが」微動だ、彼はカウンターの子機を掌で、「落ち着いてからと、裏口は開いていましたよ、開錠は右手一本ですから」


 請求書を刑事らに送る、いくらかを色を付けて、問題はないかと。それとですね、hallは円卓を見やり彼は腰を据える。


「予約に必要な電話番号を忘れしまって、席を用意してくれませんか?」


「可能です」


「今日ですよ」電話番号を彼は知る、足を運ぶ労力を見せつけ断り難い場面を作る、品物は限りの中で好みを取り入れる余裕もこれまで目に耳にするmenuが必ずしも、期待をはるか下回る、承知であるなら、有り余る量を仕入れるわけではありませんので。説明を施したところ意味を取り違え、話と違う、聞いていた内容と、行き違いは多々、彼ならばと店主は予約の一報が入ろうと受付を止める現在、非常はこちらもとお客に荷を負わせる。ただ、遅れてあるいは代役が顕れないとも、その時は応じられる範囲を提供すれば、苦情は探偵へ降りかかり、利用の控えた、会わずにいられる。


「時間は?」店主は訊いた。


 決まるはずが思案のポーズ、「九時は迷惑ですし七時だと夕食にはまだ日が昇る、八時でよろしいですかね」


「七時五十分から八時十五分までにご来店を」時刻を過ぎて見えたとて対応は、ご覧の外におられる方々と同等にとお伝えください、はてさて明日の一品を前倒すにも仕込みと、完成図はこれから描く。二品を一度に、店主は目を瞑る。


 席の用意を、人数は?国見が尋ねて、有無を言わせず席は窓側の四名席が選出に、吹き硝子の窓に客席は視界を朧、出窓の死角である。


「お願いがありましてね」「館山さんを同席させてほしいのです」


「お客さんってもしかして、」小川がこぼす。


「彼女には別の要件で出てきてもらいたいのですよね」


「生産者に作物を食べてもらう、忌憚のない意見が聞かれることでしょう」残処(のこ)るつもりなら手を貸してほしい、店主は一度だけしか、小川に引き続き厨房に立ち迎え振るまう助手を求めた。跳ねて、彼女は着替えに戻る。そのような安請け合いで、国見は気乗りせずも、「給仕係りは当然私を他に、話に聞く方は作法に通じる」それにはと、手の止まる会計に取り掛かった。


「用心ですよ」裏口より澤村は出る、通りますから鍵をかけてくださいよう、更衣室の小川へ、気圧を味方doorが閉じた。


「門出を祝うのかしら」国見の呟きは玉と浮かび、割れた。

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