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「gate bridgeを閉め忘れて、うん誘導だな」呑気に、ハンドルを握る運転手はしかし、ミラーに写し顔の、考えを巡らす。east cityの変形を辛くも種田たちは逃れ、船を着けたcentral cityへ向かう。急ぐにも車両は等間隔に、自動運転が道路を走る車の台数に応じ義務づけられる。 

 船着き場にもう一隻青黒い小型船が停まる、種田たちを迎えた救命胴衣の男が手を振り、急げ、両手を内側下へ必死に隣の船舶を指す。種田はホルスターの留め具を外す。

「早い」目ざとく熊田、運転席では冷やかしの口笛。ぞく々するう、命あっての感情は死をもってしか。

「わざ々運ばせた熊田さんの言葉とは」各自の拳銃は種田の先輩、熊田の部下鈴木に運ばせた。他国へ渡る権利書と捜査権の及ぶ証明に許可が下りてしまった、伴う危険を上層部が認めたとは、目的を別に、あずかり知らぬなら詮索は止めだ、割り切り私たちは都合がよいと拳銃を携えた。

「着きますよう、お忘れ物ごさいませんように」停車前はひどく揺れる場合がございます、くれぐれも立ち上がる際は手すりにお掴まりになって、アナウンスが流れて車は筒に吸い込まれた。

「車を乗り換えますよお」間延びした声は不安を和らげる作用、三人は中腰に屈み、正面のエレベーターに移る。階下へ。窓硝子の外は橋を斜め手の届くあたりに、回廊へ出ると、二つとなりのこれまたエレベーターと車の収まる箱へ、楽しむ危険が快感に澤村は軽いのだろう、種田たちは移る先より海上へうねる駆動の筒を下る。

「渡せ」渦巻く風と現れた渋きに濡れて、救命胴衣の男は銃口を向けた。冗談を、ナンバーtwoは所詮見上げて一生を終えるのですよ、首を振り澤村は煙草を取り出そうと、「動くな」

 覚悟は決まる、射撃のスタンスも保たれ経験は豊富、探偵と私に配張(くば)る、試しに一歩。

「警告は済んだ」するり足の引く。音もなく、人は多数流れると聞く、競争に敗れた者の行き着く場は這い上がるかつての住処。どうにか澤村が気を逸らそうと、最後の一本を吸いたいのですよ、美味しくあってあの世へ行けたら、快楽のままの永遠が待つ。 

 澤村を楯にホルスターは抜け、こちらに番の回る。、まわる。いつもだ、いつも、いつもだ、先を。

「息をつないだら私を殺せ」種田は構えた。「即死は存分海水浴を味わってもらう」

 ひええー、冷やかしは余裕の表れ、探偵はこちらを見た、意図は伝わる。

「飛びのくか、しゃがむか、自ら死を招くか、あなたが決めな」握りなおす、照準を合わせて、動きに生まれた空間と相手の直線を這わせ、「今だ!」

 むき出しの食いしばる歯、猛然体ごとうねる波へ空間の飛沫に澤村は柵を飛べ、去った先の向かう銃口を右肩へ人差し指を引く、間を開かず、あちらが先か、音の届き、目の覚める一撃は弾丸の丸く尖る先、息を奪い耳の傍を髪と共流れた、失った視界を前にそこに、熊田が消火器を側頭部へ、赤い筒はまま海へ、

 波音が満ちた。

「種田、浮き輪」平板に今日ばかりネクタイを締めたわけがこれであるか、熊田は男の肩を背中へ捩じり締めた帯を、ベルトと縛る。

 声も出ない、ちょうどよいのであるが、二人を避けて波と戯れ彼は溺れる、船体より浮き輪を投げた。

「こんなこともあろうかと」運転手の制服を彼は、力なく仰向けに海水を吐いた非常忘れられる、見ないでくださいよ、と船室に降りて行った。船は洋上を離れ航行をする、操縦は熊田が行う。

「質問があります」

「大型船の免許は取れても動かす船が手元になくては、叔父から譲り受けた、いや、半ば強制かな」

「囮に使いました」

「君が前にいたら、」熊田は目線を送る、それにと彼はつづけた。顔を背けていた私に付け加えた。「澤村さんは不慣れな操作と波のせいに仕向けた」前に向かう意識は背後をおざなり、君一人へ、逃すわけには。

「救命胴衣は地上勤務の軽量型ではなく、呼吸を助け首を波より突き出す航海用であった」

「拳銃までとはいやはや、車内で聞いておいてよかった々」代わりましょう、風呂上がり、シャワーを浴びたか、探偵は煙草を咥え日曜は休日の謳歌し姿を見せよう肌を焦がす。長袖は正しい選択だった、種田は耳を流れる風を片側に強く感じた。


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