手紙の彼女

第1話 ……誰ですか?

『本間葵さんへ』


一人暮らしをしている家のポストに手紙が入っていた。

それだけだと何も変ではないが、

送り手の住所も名前も書いていなかった。

不審に思いながら、手紙を開けてみる。


『本間葵さん、好きです。』


………。

えっと……これはラブレター…だよな?

悪戯か?

悪戯なのか?

中学校の頃に悪戯で靴箱にラブレターを置くようなことが一部で流行っていた。

それが、俺が大学に入ってまた流行っているのか?

中学の頃のように靴箱がないからって……家?

いやいやいや、大学生でこの純粋さ。

相手が分からないと冗談なのか本気なのかが分からない。

いや、相手が分かってもわからないけど…

でも、俺の希望では本気であってほしい。

彼女は長い間ご無沙汰です。

他の人のせいにしてはだめだと思うのだが、

俺の隣にはハイスペックの男がよくいる。

あいつのせいで俺は霞んでしまうのだ。

そう、そうなのだ。と思い込んでいる。

この手紙の子が本気で俺のことが好きなら嬉しい。

どこの誰かはまだわからんが誰かに好かれるということは嬉しいに決まっている。


でも…誰だ?

なんで、俺の家知っているの?

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