碧瓶のうさぎ

01♨

第1話 見えた

うさぎは海の中で、一匹の魚とことばをかわす。

「透き通った青の中で、君に逢えてうれしい」

まとわりついた水は冷たい。

足元は、サウナのように熱くて。

いつからか、うさぎとしての使命を忘れてしまい。

壊れた感情のすぐ隣には、とてつもなく鮮明な光が見えた。

とめどなく揺らいでいる。

そして、どことなく重い。

息は、なぜか苦しくない。

声は、出せなくなってしまった。

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