深夜

寂しさをぎゅっと押し固めたような夜。入れたてのココアを両手で包んで、暗い窓から都会のオリオン座を見上げる。片耳のイヤホンから流れるドビュッシーが、冬空に月を添えた。つけっぱなしにしていた夜中の通販番組。陽気な彼らが提供しているのは商品じゃなくて、私みたいな人たちにつける薬だった。

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