第33話 本格的なBattle

螺旋階段を上る2人。数分上り2人はサタナキアのいると思われる部屋に着いた。この建物の入り口にある扉よりかは小さかったがそれでも扉は大きい。


「本当にここにいるのか?」


「いる…と思うよ。いなかったら別の所かも」


「そっか…。とりあえず入ってみよっか」


瑛斗がドアノブに手をかけ下に落とし開けていく。一見、重そうに見えたその扉は意外にも軽くすんなりとその扉が開く。そして2人は中に入って行った。部屋は暗く、部屋には誰がいるのか、そして何があるのかはわからなかった。


「真っ暗じゃんか…。本当にここに――」


瑛斗がそう言おうとした瞬間、2人の近くにある2本の松明が同時に点いた。そして両側の松明も奥に向かって続々点いていき部屋がだんだんと明るくなっていく。そして奥にある檻らしきものが見えてくる。その檻の中に手首を縛られた葵がいた。その近くにはサタナキアが椅子に座ってこちらを見ていた。2人は小走りでそこへ向かう。


「やっと来たか…。待ちくたびれたぞ」


そう言い、サタナキアが椅子から立ち上がり2人を見た。サタナキアの身長は2人より、かなり大きい。アリスは、見上げサタナキアを見た。


「アオイを解放して。今すぐに!」


「そんな簡単に解放するとでも思ってるのか?」


「何やったら解放してくれるの?」


「何をやったら…。この俺を倒す事が出来たなら、そいつを解放してやる。まぁ、無理だろうがな…」


アリスは言い返す言葉が見つからず無言でサタナキアを見続けている。瑛斗は視線を下に向けていた。


「絶対に…絶対にお前を倒す!倒して葵を解放してもらう!」


サタナキアが瑛斗が言った事を聞き、少しニヤニヤとしながら瑛斗を見る。そして鼻で笑った。瑛斗は視線を上に上げサタナキアを睨み見ていた。


「ふっ…、そんな事出来るのでも思ってるのか?」


「出来る!絶対にやってやる!お前を倒して葵を返してもらう!」


「なら…やってみろ!」


「瑛斗…!アリスちゃん…!絶対に助けて…」


葵が檻の中からそう叫んだ。そして葵の目には泪が浮かんでいた。


サタナキアが飛び、2人にめがけてやって来る。瑛斗は剣を抜きアリスは銃を手に持ち装填した。


アリスがサタナキアに向け1発撃つが、サタナキアはギリギリでそれをかわし2人の頭上を通り過ぎる。2人の後ろにサタナキアが来ている。そして再びサタナキアが2人めがけ来ている。


「2人もろとも…死ね!」


サタナキアの右腕が変化し、剣のようになった。瑛斗にめがけてサタナキアは向かって来ていた。


「あいつって…いろいろ変化できんのかよ?」


「わ、私も初めて見たの!とりあえず…瑛斗耐えて」


「わかったよ、耐えてみせるさ」


瑛斗が剣を構えてサタナキアを待つ。そしてサタナキアが腕を振りかぶると、瑛斗の構えた剣とぶつかり火花が散る。


葵を救うための、サタナキアとのバトルが本格的に始まった。

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