Battle 1

第10話 急展開

翌日、瑛斗が起きると、もうベットにはアリスと葵はいなかった。体を起こしベットから降りた。瑛斗は寝室のドアを開け廊下へと出る。


「あいつら…どこ行ったんだ?」


瑛斗は歩き出し、食堂へと向かって行った。朝ということもあり2人はそこにいるのではないかと思っていた。瑛斗の予感は的中した。食堂入り口のドアを開けるとアリスと葵が食事をしていた。しかし2人の表情は冴えていない。


「どうした?冴えない顔してるけど…」


瑛斗が席に座り、冷えきった朝食を口に運んだ。


「その…瑛斗?さっきねアリスちゃんから…聞いたんだけど」


「ん?どうかしたのか?」


「その…エイト。私たちの国が今、危機なの。他の国から攻められてかなりの兵が…やられてるの。ごめんね御飯時にこんな話ししちゃって…」


「え?すごい急展開だな。けど、それで…?かなりヤバイの?」


「うん…もしかしたら…2人にも手伝ってもらうかもなの」


「要するに、他国の人たちと戦うって事か?」


「そういう事…だね。なるべく戦わせないようにするけど…人数的に…もしかしたら…」


瑛斗と葵が顔を見合わせ、見つめ合いそして2人はほぼ同時に微笑む。


「アリスが困ってるから…やるよな?葵」


「うん!当たり前じゃん!私たちで戦力になるかわからないけど…頑張る!」


「エイト…アオイ…ありがとう…」


アリスが涙ぐみながらそう言った。正直2人は急展開過ぎて驚いていたが、対人戦は向こうの世界ではやった事が無く少しだけワクワクしていた。しかし心配な部分もあった。3人は朝食を食べ終え、少しだけ話している。


「一応ね、武器とかはこの建物の中にあるから後で渡しておくね。扱い方は…私が教えるから」


「武器…生きてる間に使う事無いと思ってたけどこんな形で使うとはね…俺こういうの好きなんだよな。サバゲーで鍛えたこの動きで華麗に敵を翻弄してやるぜ」


「アリスちゃん…銃とかってあるの?瑛斗が使いたがってるけど…」


「うん、あるよ。剣も結構多くあった気がするから銃と剣、両方持たせるね」


食堂の席でしばらく話した後、3人は再びアリスの部屋へと3人は向かって行く。その間もずっと話していた。部屋に着くと、3人はベッドに座り続きを話している。


「私たち…本当にできるのかな。もしかしたら死んじゃうって事だもんね…」


「確かに、そこは気をつけなきゃだな」


3人は話した続け、アリスもそれを真剣に聞いている。瑛斗が主体となりその作戦を考えていた。




「思ったけど、アリスちゃんって戦うの?」


「うん、戦うよ?」


「そうか、なら3人で…」


瑛斗がそう言いかけるが途中で口が止まる。葵も瑛斗の顔見ていた。そして2人はアリスの方を見た。


「え!戦うの!?」


2人は声を合わせアリスにそう聞いた。アリスは平然とした顔で2人を見ている。


「戦うけど…。王女が戦っちゃダメなんてそんなルールどこにあるの?」


「い、いや無いけど…ただもしアリスが死んじゃったりしたら俺らどうしたらいいのかなって…」


「大丈夫!私は絶対に死なないもん!エイト、私を信じて?私もこう見えて強いんだから」


「そうなのか…そう見えないよ、アリス」


アリスが微笑みそれにつられ3人も微笑む。部屋に和やかムードが流れている。



「じゃー今から武器とかは戦う時に使う防具だったり見に行こっか。私についていてね」


ベッドから降りた3人はアリスの案内で武器や装備類などがある部屋へ向かって行った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る