異世界転移のその後

第2話 赤髪の少女

2人は何時間寝たのかわからない。寝ている間2人は何も夢を見ることはなかった。そして2人は自然と手を繋いで、眠りについていたのだった。




瑛斗はゆっくりと目を開けていく。目を開けきり体を起こす。葵の家かと思われたがどうやら違う。瑛斗の隣には葵がまだ寝ている。2人はどこか知らない部屋のベッドに寝ていたのだった。周りを見渡す瑛斗。その部屋は中世ヨーロッパ風の部屋で、所々に金らしいものが使われている家具などが置いてある。そして、瑛斗と葵のいるベットの四つ角にはそれぞれ木の柱がたっていて、上からは薄い布のようなものがベットを隠すように垂れている。アニメや映画などでお姫様が寝ているようなベットだった。


「え…瑛斗…?起きてたの……ってここどこ?」


瑛斗が起きてからしばらくして葵が起きてきた。目をこすりながら起きてきたが、周りの光景を見て驚いた。ここがどこだか2人はわかっていなかった。お姫様が寝てそうなベッドだからお姫様がこの建物内にいるのではないか、そう勝手に思っていた。



2人が部屋を見渡している時、部屋のドアが開く音がした。2人は音のした部屋のドアを見る。部屋のドアが開かれていてそこには赤い髪でロングヘアの少女が立っている。子供ではないが大人にも見えない。2人と同じくらいの年齢だろうか。瑛斗と葵とその少女が目を合わせる。数秒見つめ合った後、その少女が2人を見て叫んだ。


「だ、誰か来て!不審者がいる!!」


その少女がベットに座っている2人を指差し部屋の外に向け、叫んだ。2人は焦りその少女が叫ぶのを止めに行こうとしベッドから降りた。そしてその少女に近づこうとした。


「ち、違うんだ!俺たちは――」


「うるさい!そ、そこから動かないで!」


誤解だという事を伝えようとしたがその少女は2人の話を聞こうとしない。そのうち、部屋の外に見える廊下から何人かが走って来ている足音が聞こえて来た。その足音はこの部屋に向かっている。


「アリス様!どうかなさいましたでしょうか!」


「こ、この人たち…不審者です!勝手に人の部屋に入って私のベットに寝ていたんです!」


アリス…この赤髪ロングの少女はアリスと言うらしい。


アリスの周りにいる3人の警備兵らしき人たちが手に持っていた銃を瑛斗と葵に向けいる。説得するのを諦めた瑛斗は降伏の意味で両手を上に上げようとした。しかしそれが警備兵達には‘‘どこから来た人かわからない人が攻撃を仕掛けて来た’’と勘違いをしてしまい、警備兵の1人が銃の引き金を引いてしまった。


銃声が部屋に響き、瑛斗は肩を押さえながら部屋の床に倒れこんだ。警備兵に肩を撃たれたのだった。初めて感じる痛みで瑛斗は悶絶していた。痛すぎて、気絶しそうになっている。意識が遠のきながらも、瑛斗の耳には会話が聞こえてくる。


「ちょっと!何撃ってるのよ!」


「彼は攻撃を仕掛けて…」


「瑛斗は何も持ってないし、あなたたちに攻撃するつもりなんてなかったのに!勝手に決めつけて撃たないでよ!」


葵が涙を流しながら、瑛斗を撃った1人の警備兵に近寄る。他の警備兵に撃たれる事を覚悟だったが、撃たれる事はなかった。


そんな会話が瑛斗の耳に入ってくる。しかし瑛斗は肩を撃たれた痛みで気を失ってしまい、まぶたが完全に閉じてしまった。




その後、瑛斗は3人の警備兵に建物内の医務室らしい所に連れて行かれた。


アリスと葵もそれについて行ったのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る