妄想のカタマリ

僕は何にだってなれる。


偉大な魔法使いにだって。

勇敢な戦士にだって。

民に慕われる王様にだって。

好きな人のためにだけ頑張れる男の子にだって。

スポーツに打ち込む熱血少年にだって。

社会の悪を駆逐する企業戦士にも。


何にだってなれる。

誰にだってなれる。

なんでもできちゃう。


だけど 1つだけできないことがある。

僕は、僕が求める僕自身にはなれない。

どんなに理想を並べてみたって

どれかに近づくことができなくて、

その瞬間には肩を落としてしまうけど、

すぐに僕は前を向く。


なれなかった自分を重ねて

主人公彼らを描く。

そうして出来上がった人たちを

誰かに愛せてもらえたなら、

それはそれで とっても嬉しいのだ。

たとえ、僕自身が理想に近づけなくとも、

それはそれで、かなり嬉しいことなのだ。



              ~妄想のカタマリ~


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