言の麻薬

辛いんだ

君が僕を想って優しくしてくれるから

君の優しさに応えれるほど僕は人思いじゃない

笑顔なんて向けないで

僕の手なんか引かないで

『友達』だなんて言われても

応えられないから

僕なんかに構うのは無駄だって気付いてよ

僕の横を当たり前に歩いて

『友達』と言う

止めてよ

止めて

信じたくなるだろう

他人なんて信じないと決めたのに

決心を鈍らせないで

泣きたくなる

他人の優しさに胸が張り裂ける位に痛くて

むず痒い

ココロの中の黒い靄が増えていく

君が僕なんかに構わないでよ

迷惑なんて掛けたくない

心配だなんて思わなくて良い

君は君の人生レールを歩んで行けば良いのに

その一ページを君の一生の中の一ページを僕で穢さないで

もう嫌だって言いたい

………筈。

なのに

ココロだって揺らぐ

自分が欲しい言葉をかけられてもっと……って

僕の欲望を刺激する


―――――――まるで強欲じゃないか―――――――


何も求めていないはずなのに

いつの間にか

僕は変わってしまったんだと気付く

涙なんて流しても

欲しい言葉なんて

無いはずなのに

君は真っ直ぐな眼差しで僕を見る

凛とした態度で

君は―――

『友達だよ』

って……

もっと泣きたくなる様な事を軽々と言う

止めてくれ

溺れてしまう

君が優し過ぎるから





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