第78話 秋葉原探訪(その16)

「何か男性用のばかりで、女性用のは無いんですね」

「いや、あるだろ……というか同じ場所に置かないだろ、男女一緒だったら買う奴が恥ずかしがるわ」

「私気にしてませんけど」

「ねー」

「黙れエロゲ脳コンビ」

「じょせいようってどんなのでしょうか」

「いや、よい子は知らなくて良いから」

「えー?」

「ディルドーとか言う奴だな」

「黙れ金屋子神」

「あと、電気マッサージ器を使うのもあるな」

「電気マッサージ器?」


 B子が傾げた。


「コケシみたいな形で、頭が振動するものだ」

「振動、って、どうやって…」

「股間にだなあ」

「頼むからそれ以上はやめてくれぇぇ」


ご主人様は頭を抱えてしゃがみ込む。


「股間以外にも乳首に当てたりとか」

「乳首?」


 意外そうに聞くA子。


「乳首に振動を当てるのと言うと、乳牛の搾乳機がそんな仕組みだった様な記憶が」

「うむ。乳首を覆うカプセルで振動を作って刺激を与えて搾乳するんだったな」

「あんたらなんでそんな事知ってんの……」


 A子と金屋子神の意外な雑学の応酬にご主人様は困惑した。


「そういやこれ、そのカプセルに似てますね」


 A子はTENGAを指した。


「これも射し込んで刺激を与えるんですよね」

「成る程、これは男のミルクの搾乳……」


 ごちーん。B子は言い切ろうとした時にご主人様に小突かれた。


「いたーい。ご主人様なにすんのぉ」

「黙れこのオヤジギャル」

「でも結構でかいですよねコレ……」


 A子はご主人様の股間を見た。


「失礼ですが同じサイズ?」

「恥ずかしながらそんな巨根ではありません」

「いや、そうでも……」


 B子はぼそっと呟く。


「ていうかそんなでかい奴なんておるかいっ!」

「確かに、こんなの入りません……」


 思わず息を呑むA子。


「しかし赤ん坊はソレよりでかいサイズで出てくるだろ?」

「確かに……」


 金屋子神の指摘に一同思わず固まる。


「と言う事は、理屈上、女性はこんなでかいのを入れるコトが出来るのでしょうか」

「男に聞くなよ……」

「あんたは?」


 B子は急に振られて戸惑う。


「いやぁ…あたしらの場合はソレよりももっと厄介だし…」

「?」


 意味が分からないA子は傾げた。

 その横で小声で、ああ、と頷くご主人様は猫のペニスがトゲトゲな形状になっている事を思い出した。


「そりゃああんなモノ突っ込まれたら泣くよな……」

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