一、羊の出現と調整

 羊の出現の前に、まずは マインクラフトの歴史について軽く触れていかなくてはなりません。

 マインクラフトはスウェーデンのMojangという会社(最近、マイクロソフトが買収したことがニュースになりました)が作っているゲームで、大きく分けるとクラシック版、アルファ版、ベータ版、正式版の四種類に分けられます。クラシック版の初期においては現在でいうクリエイティブモード、空中を自在に移動かつブロックを任意に取り出して設置できるモードしか実装されていなかったのですが、その後、体力という概念(後に空腹も)が追加され、プレーヤーに重力が適用されるサバイバルモードが実装されました。

 私はクリエイティブモードで色々な建造物の製作をしていることが多いのですが、サバイバルモード、特に「ハード」という難易度でのプレイにおける建造物製作もなかなか面白く、落下の危険やモンスターが不意に襲ってくる恐怖、そして材料集めなど、進みは遅くなりますがその分達成感が増加していく、そんなプレイスタイルも楽しいと思っています。ただ自分がサバイバルでプレイするのは他の人が立てているマルチサーバ限定で、そのサーバも最近休止状態だったのでクリエイティブでのプレイが多くなっていますが……。

 マインクラフトにおいて羊の出現が予告されたのは二〇〇九年十月二十五日のことだそうです。この時、YouTube(http://www.youtube.com/watch?v=2XDxbZjmGq4)に「羊」をテストする動画がアップロードされました。

 プレーヤーが実際に触れることが出来るようになったのは「0.27 SURVIVAL TEST 11」のことです。この時は、羊をキルすると肉をドロップする計画があったそうなのですが、その後「0.30」で正式に実装される際は、羊を左クリックで叩くと白い羊毛を二個ドロップし、キルするとキノコをドロップする仕様となりました。羊は草ブロックを食べて土ブロックに変えるのですが(周りに草ブロックがあれば、土ブロックは草ブロックに再び変化します)、三ブロック分食べるとその羊の羊毛は回復し、再び取れるようになります。

 この時サバイバルモードが実装されているので、羊はサバイバルモードとともに歩んできたことになります。

 アルファ版においては、羊を叩いたときの羊毛ドロップ数が二個固定から一〜三個のランダムドロップに変化したものの、基本的な仕様については変化していません。しかし叩くだけで羊毛を得られる形式が廃止されることが予告されており、その代替手段として釣竿の使用が検討されていました。

 その後ベータ版移行に当たり薄灰色と黒の羊、そしてピンクと茶色の羊が追加され、それらの羊からは対応した色の羊毛が取れるようになりました。叩くだけで羊毛が取れる、それは羊には若干苦痛だったかもしれませんが、その後の変化を考えるとプレーヤーにとっても、羊にとっても優しい時代だったいえるかもしれません。

 しかし、羊に対する大きな変化が「ベータ版1.7」において訪れます。それは羊に対しては優しく、しかし厳しい変化となりました。

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