34話「ロリへの愛は世界を救うか?⑥~落ちてくる空~」


ネタバレ伏線ver

http://suliruku.blogspot.jp/2017/02/34.html






食の神を攻撃してはいけない。歯向かってはいけない。全ての魔族を敵に回すよりやばい狂気的な存在なのだから。

膨大な堕ちてくる触手に触れてもいけない。一番最悪なのは食の神本体と物理的に切り離してしまうことだ。切り離した肉片は全く異なる意識を内部に作り出し、本体から切り離された喪失感で激怒して、原因となった種族を攻撃してくるのである。

俺がなんでこんなに詳しいのかというと……昔、アメリカさんの学者さんが、サンプルを取るために食の神の一部を切断して大惨事になったからだ。波長を操って風景に擬態するから、人類は一方的に奇襲攻撃されるわ、軍人に擬態した触手に同士撃ちをさせられたり悲惨だ。だから、俺はまず白真珠に言わないといけない事がある。


「白真珠っー!」


「はいっー!なんですかぁー!」


「何もするなぁー!絶対、あの触手を攻撃しちゃいけないっー!肉片のサイズによっては魔王よりやばいからぁーー!」


「よく分かんないんですけど、早く逃げましょうっー!」


「説明している時間がないっ!後で話す!車の中で待てっ!絶対に外に出るなっ!」


「えと……?よく分かりませんがお師様に僕の命を預けますっ!」


白真珠の信頼に応えるために俺は呪文を詠唱する。興奮した食の神は、逃げる者、戦う者を優先して食い殺す。

俺たちを追いかけてきた装甲車両部隊は大変な事になっている。大混乱して銃弾を触手にプレゼントしたり、場から逃亡して触手に食われている。近くにいる自走砲部隊も似たような運命をたどっているに違いない。

そのおかげか、俺と白真珠の所に触手は来ていない。呪文を詠唱する時間はたっぷりだ!


「土操作(アース・コントロール)!」


俺たちの真下の地面を操作し、縦に深い大きな穴を作り出す。俺は白真珠が怪我しないように――小さな身体をモギュッと抱きしめた。車は自由落下し、穴の底へと鈍い衝撃とともに着地する。

続けて俺は、更に土を操作し、車の上に大量の土砂をバラまく。

時間にして僅か五秒。食の神の注意を引かずに、一気に俺たちは地面の下へと移動した訳だ。

……白真珠の体を思いっきり抱きしめていると、なんか柔らかくて守りたくなる気持ちにさせられて不思議である。ベッドの上で裸の白真珠を慰めた事を思い出して、顔が真っ赤になりそうだ。


「ああ、なるほど、お師様の考えている事がわかりました……逃げるより、隠れた方がお得って事ですね?」


「肉食動物はな……相手が逃げると本能的に追いかけたくなる生き物なんだ……食の神は攻撃してきた奴と逃げる奴を優先して食い殺す。そういう統計情報もある。一番良いのはこうやって隠れる事だな。

土が熱や波長を誤魔化してくれるから、恐らく食の神からも見え辛いはずだ……たぶん」


ぶっちゃけ、ダンジョン世界のどこにいっても、死んだら遺体を食われて、高級食材をプレゼントしてくる奴の考えている事がわからん。『クッキングマスター』の名前の由来なんか酷すぎて、ゲロ吐くような酷い内容だ。幼い子供に聞かせられないし、白真珠が聞いたら――自殺するかもしれん。


「今頃……地上はどうなっているんでしょう?」


「……榴弾を撃った馬鹿達は、今頃食われているんだろうな……攻撃を当ててしまったし……」


この捕食が広範囲に及んでいなければ良いのだが……。


「あのお師様……お祖父様は無事だと思いますか……?」


「ブラドさんなら……たぶん、大丈夫だろう。ドナルド先輩はああ見えても強いんだ。下手な長射程武器が使えないダンジョン世界なら、幾らでもやりようがあるはず……ここから出たらブラドさんと合流するために、悪徳都市の方角へ戻ろ――」


ぐぅー。俺がモギュッと優しく抱きしめている可愛い銀髪ロリ娘。そのお腹から音がした。たくさん運動をしたが昼食を取ってない事実を今更ながら思い出す。白真珠は申し訳なさそうな顔で――

「すいません……お腹すいちゃいました……」


飢えた女の子を放置しておけない俺は、魔法の鞄に右手を入れてゴソゴソッ。

黄金に輝くスイートバナナを出した。当然、食の神がくれる特別製だ。食べるだけで肉体と魂の両方を強化してくれる。白真珠なら俺より効き目があるだろう。


「このスイートバナナでも食っておけ。あ、このバナナは舐めて食べると美味しいぞ。唾液で溶けまくるからアイスの棒みたいに舐めるとイイぞ」


俺のアドバイス通り、白真珠はバナナの皮をめくって、その白い細長い物体をペロペロと舐め始めた。


「んっ……このバナナ凄く濃厚で……美味しいです……はぁんっ……これ何円くらいします……んぅ……」


「じゅ、十万円くらいの安物だが……うまいか……」


なぜだろう。小さい娘にエロい事をさせている気分になった。今だけ俺もバナナになりたい。

白い大きな棒を、白真珠が舌をまとわりつかせて、必死にペロペロしている様を見ると、扇情的でエロい。


「アイスみたいに冷たくないのに……甘くて……トロトロと溶けて……十万円の味……はぁ……すごい……」


ゴックンッ。バナナが溶けて溢れた白い液体を白真珠が飲んだ。俺はなんて酷い食べ物を出してしまったのだろう?この場に教育委員会の人がいたら、俺を警察に突き出すと思う。

地面の下、暗い車内で密着しながらバナナをペロペロとか、それなんてスイーツエロゲー。


「はぁ……美味しい……病みつきになる味です……」


「バナナが恨ましい」


「え?……はぁ……バナナ……お師様も……はぁ……バナナを食べたいんですか……?」


「いや、聞かなかったことにしてくれ」


「これ……凄く良い味です…あんっ……白濁で濃厚な液体になって美味しい……でも、必死に舐めないと零れ落ちそうで大変で……んぅ……息継ぎが大変ですっ……はぁ……」


「ま、まだまだ代わりのバナナはがたくさんあるぞ」


「はぁん……有難うございますぅ……んっ……」


バナナを頬張るロリ娘と一緒に、密室の中で生活できた俺は幸福である。

とりあえず、土操作で空気穴を作っておこう。窒息死するのは勘弁願いたい。


「このバナナ……もう甘くて甘くて……舌が止まらないです……お師さまぁ……はぁんっ……こぼれ落ちそう……んっ……」


白真珠はバナナの味に満足している。俺はそんな彼女を見るだけで満足だ。エロ可愛いし。

でも、食の神が作り出した食べ物だから――恐らく材料は――魔物肉や人肉な可能性が濃厚なのだが、正義に燃える吸血姫にそんな事実は言えなかった。

真実を話せば自殺するかもしれない。こんなに可愛くて素直で良い美少女の心を傷つけたくないのだ。



今頃……ロシア軍の奴らも食の神にクッキングされているだろうなぁ……。

クッキングマスターの名前の由来、分かってくれただろうか?

死んだ奴を問答無用で食べて、高級食材にしちゃうからクッキングマスターなのである。きっと、向こうは俺達や魔族を家畜として見ていると思うのだ。


「美味しい……どうやったらこんなに美味しい果物が育つんだろう……はぁはぁ……」


どうやったら、銀髪ロリ娘なのにそんなに胸が育つのだろう。


---


(ノ゚ω゚)(ノ゚ω゚)変態バナナだぁー!


(´・ω・`)唾液で溶けまくるバナナとか最高じゃな?


(ノ゚ω゚)(ノ゚ω゚)変態だよー!これ考えた先生ぇー!



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