30話「ロリへの愛は世界を救うか?➁~エロフ娘との再会~」

ネタバレ伏線ver

http://suliruku.blogspot.jp/2017/02/30.html



「終わった……終わった……」


どう見ても、レッドゴブリンのアジトは施しようがないくらいに手遅れだった。内部から炎を吹き上げ、放置すれば建材がボロボロに炭化して建物ごと倒壊するだろう。こんな状況下で機密書類の類が残っているはずもない。今頃、小さな灰になって空を飛び上がっている頃だと思う。

でも、まだ救いはあるはずだ。このアジトを焼き払った奴らが近くにいて、証拠隠滅で放火をしたのならば……そいつから話を聞けば良い。証言だけだと証拠になり辛いがバグダインを追い詰めるためのヒントくらいは得られるはずだ。

そんな事を思って、頭良いな俺と思ったら――


「弱いもの虐めは最高なのですっー!ストレス解消にじゃんじゃん燃やすのですよー!」


放火した犯人は、緑色の可愛らしいドレスを着た魅惑のレディーである。


「燃えるのですよー!何もかも燃えてしまえばいいのですー!私の辛い過去ごと燃えるのですー!」


胸は超豊満でダイナマイトオッパイ。細長いエルフ耳が生えていて、髪は輝く黄金色だ。

確か……初めての純潔とやらをスライム・サンに奪われた可哀想なエロフだ。そう、あれは白真珠と出会った二日前の昼間――


ーーー

「ううぅ……なんか悔しいのですっ……!

施しを受けるなんてっ……悔しいのですよっ……!」


……すまん、美少女は外見が9割なのかもしれんが、方言のせいで台無しだ。

だが、俺はふと思うのだ。

白真珠と出会ってなかったら……このエロフ……いやエルフ娘がメインヒロインだったのではないかと。

まぁ、歴史と現実にIFはないのだから、無意味な推理なのだが。


「このリンゴあげます!」


俺の背後で、白真珠がゴールドアップルをプレゼントしているようだ。

……俺はロリコンではない。

だが、素直で優しい女の子には好感が持てるんだ……。


「うううっ……!小さい子供に情けをかけられるなんてっ……!

本当に今日は情けない人なのですっ……!」

ーーー


そうだ。俺が白真珠と出会ってなかったら、結構良い仲になっていたかもしれない口調が可哀想な人だ。

どう見ても、魔族側ではなく、憂さ晴らしでアジトを焼き払っている。この娘を尋問したとしても、何も出てこない。出てくるのはオッパイの揺れる音だけだろう。


「もっと燃えるのですー!世界の果てまで焼けてしまえばいいのですよー!」


だが、一応……俺たちの努力を台無しにしてくれたのだ。少しくらい怒ってもいいだろう?


「こらぁー!?何をやっているんだぁー!?エロフっー!」


「あぅ?」


「そこのエロフ娘っ!どうして放火しているんだぁー!」


「人間はとても失礼なのです!私は森の妖精エルフなのですよー!ピチピチの乙女なのですー!」


「非処女なのに乙女!?」


「ひ、ひどすぎるのです!心が乙女なら女の子は乙女なのですよー!……あぅ?よく見たら……二日前、私を助けてくれた人間?あぅぅっ……!」


「お前が乙女とか、そんな事は凄くどうでも良いんだが……どうしてアジトを燃やしているんだ!」


「燃やすと酸素がなくなってゴブリンが死滅して一石二鳥なのです~。魔物は酸欠になると死ぬのですよー。魔界の生物の癖に動物っぽいのです~」


巨乳エルフ娘は誇らしげに胸をそらした。このオッパイの大きさで許せそうな気持ちになるが、今の俺は……毎日、眺める素敵なオッパイがあるリア充なのだ。

三日前ならお金を払って注視していた可能性もあるが、相対的に目の前のオッパイの価値は激減しているのである。余裕がある充実した生活って素敵だ。

とはいえ……今回の事で目の前のエルフ娘に怒るのは場違いだ。ここに重要な手がかりがあるなんて彼女は知らないのだし。超大国アメリカさえ味方につければ、途中経過はどうあれ、ブラドさんの圧勝は間違いなし。

むしろ、ここで証拠品をGETできなくても特に問題はないように思える。バグダインの失脚が少し遅くなるだけだ。魔族と共謀している証拠なんぞなくても、叩けば幾らでもホコリが出てくる相手なのだし。。

他の罪を山盛りにして、それで制裁すれば良い。


「僕、証拠品を見つけてきます!魔氷剣で凍らせれば何とかなりますよね!」


困った事に、行動力が溢れまくった白真珠が、火だるま状態のアジトへと突撃してしまった。周りを凍らしまくりながら、ゴーゴーと盛大に燃え盛る建物の中へと消えていく。

確か白真珠が着ている黒いドレスは、破れても修復する仕様だと言われた記憶があるが……防火性能はあるのだろうか?建物が倒壊しても白真珠だったら大丈夫な気がしてならない。


「あぅ?証拠品?何の話なのですか?お金になりそうな匂いがするのです」エルフ娘が俺に話しかけてきた。


「……実はな、バグダインが魔族と繋がっているらしくてな。できればこのアジトにあった書類とか、そういうのを抑えて米軍辺りにプレゼントしたかったんだ……ここの魔物が重要な何かを握っていたっぽい」


「戦利品なら、私の魔法のカバンの中にあるのですよ?」


「え?」


「金になりそうな書類とか、道具は事前に貰っておいたのです~」


エルフ娘が右手でVサインしてきた。結構、素直で可愛い生き物だ……うわぁぁ!大変だ!白真珠の努力が徒労すぎる!


「白真珠ー!戻ってこいー!証拠品なら、この胸が大きいエロフが持っているぞー!カムバックゥッー!」


「エロフじゃなくてエルフなのですー!」




---


(ノ゚ω゚)(ノ゚ω゚)先生ぇー!火事って怖いですよねー!


(´・ω・`)ダンジョン世界は、食の神の胃袋だから、やりすぎると食われてゲームオーバーになると思うぞい。


(ノ゚ω゚)(ノ゚ω゚)そんなー!?

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