第253話道具の選び方

よき細工は、少しにぶき刀を使ふといふ。

妙観が刀はいたくたたず。


腕のいい細工師は、切れ味の少し落ちる小刀を用いると聞く。

彫刻の名人、妙観の小刀はあまりよく切れない。

利きすぎる腕を、ほどよく抑えるためだと言う。


                         徒然草(第二百二十九段)


筆記用具もスラスラ書けすぎるよりも、少々抵抗があったほうが、字が上手に書けるような気がする。

要するに、コントロールできる道具を使ったほうがいい。

そういう話なのかもしれない。

道具自慢より仕事の結果が大切。

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