第25話瓶を蹴飛ばした典座

新しい寺院を建立するため、住職を選ぶ試験が行われた。


問題は

「ここに、清めの水を入れる瓶がある」

「この瓶を、瓶と呼ばないで、なんと呼ぶ」


最高の弟子と言われた僧侶の答え

「木っ端切れと呼んではいけない!」


典座係(寺院の食事係)

何も言わず、思いっきり瓶を蹴飛ばして、すぐにいなくなってしまった。


新しい寺院の住職に選ばれたのは、典座係だった。



※様々な解釈があるけれど、珍奇な言い換えをした最高の弟子に対して、

 「質問そのもの」を無意味と断じ、心のまま、思いっきり蹴飛ばした典座係。


「口から出まかせ」では、仏の道は歩めない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る