第20話扇を使い、涼をとること

師匠が話を始めた。


「昔な、暑い日に扇子を使って涼をとっていた禅僧がいた」


「そこに、一人の僧が尋ねてきて雑談をした後、その客僧が質問をしたそうだ」


「風の本性は、どこでも変わることなく吹いているのではないか」


「ところが扇子を使っている禅僧は『その通り』といい、相変わらず扇子を使い続ける」


「『風はどこでも変わらず吹いているのに、どうしてわざわざ扇子をお使いになるのか』再び、客僧が尋ねるが、相変わらず禅僧は扇子を使い続けた」


「客僧は、そこで何かを感じたのか、深い礼をして、その場を立ち去ったそうだ」


師匠は、ここまで話した後、弟子に問題を出した。


「それで、問題はこれを解説することだ」



※これも難問のひとつ。

 何故、禅僧は扇を使い、涼を取り続けたのか。

 何故、客僧は、その質問を行ったのか。

 何故、客僧は深い礼をして、立ち去ったのか。

何故、師匠はこんな問題を出したのか。


よく考えると、世間の様々な混乱が思い浮かび、最後は「真っ直ぐな道」が見えると言われている。

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