ユキノシズク

宇月零

序章 「あなたへ」

(1)

 あなたのことが好きでした。


 あなたと過ごす度に、その想いは強くなって、

 その度に、私は不安になって、どうしようもなく怖かった。


 いつかあなたに、あの事を知られてしまうのではないかと。

 また、あの時のように、酷い目に遭うのではないかと。


 そう考えると、どうしようもなく怖くて、

 なんとかして、あなたを私のものにしたくて、

 あの時、私はあなたの首を絞めてしまった。


 あなたがいなくなって、初めて気づきました。

 こんなろくでもない人生だったけれど、

 あなたと過ごしたあの日々は、本当に幸せだったと。


 どうか、私のことなんか忘れて、幸せな日々を送ってください。


 今までありがとう。

 そしてごめんなさい。

 さようなら、お元気で。 

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