何もない夜に

 白黒ブチのネコが月を眺めてる

 大きな大きな窓のそばで

 ただじいっと月を見てる


 本当は見ているのは月じゃないのかも知れない

 月の砂漠でマネキンたちがダンスをしてる

 その無表情さに目が離せないのかも


 ずっとずっと足跡が残るから

 月の大地は足跡だらけで困っちゃう

 よく地球が見える絶景スポット

 もうとっくの昔に買い占められてしまってる


 月の石が珍しいだなんて

 きっと後数年くらいの価値観さ

 だってもうちょっとしたら月に暮らせるようになるんでしょ

 昔読んだ未来の絵本にそう書いてあったよ


 みんなそろって月夜にダンス

 誰もこの満月の魔法に逆らえやしない

 だってこんなにステキな夜なんだもの

 どこからかほら ステキな音楽流れてくるよ


 屋根の上から眺めてる

 あの子は今夜もここにいる

 どんなに風が冷たくったって

 どんなに一人がさびしくったって


 ざざーんざざざーん波のうた

 優しい月光寄り添うみたいに

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