after第35話 コピー藁人形

ゴンザレス太郎達が出発して1時間が経過した頃、浜辺から少し離れた場所に6つの藁人形が落ちていた。


「なるほどなるほど、あれが噂の…」


青いローブに身を包み前屈みの姿勢のその人物は地面に落ちていた6つの藁人形を拾ってその内の一つを頭に近付ける。


「良かった、縛られた時にちゃんと触れたみたいだね」


そう呟いたその人物の腕から藁人形を包み込む赤い光が出る…

そして、その藁人形はすくすくと巨大化し下着姿に上着を羽織っただけのサラに変身した。


「あぁ…魔王の娘か…なんて美しいんだ…」


無表情の偽サラは頬を撫でられ意識を取り戻す。


「なっ何よ貴方?!ここは何処?タツヤ?タツヤは?」

「おやおや、お目覚めですかお嬢さん」


頬を触られていた手を払って辺りを見回すサラ、だがそこにはフーカもゴンザレス太郎も居ない。


「貴方はドッペルドールに体をコピーされたみたいですね」

「ドッペルドール?」

「この辺りに住まう魔物です。人に触って自らをコピーしてその人間と入れ替わって隙を見て人を食らう恐ろしい魔物です」

「そ…それじゃあ?!」


慌てて駆けていく偽サラ…


「さぁ試練は与えられたどう乗り越えるか楽しみにしてるよ」


笑みを浮かべる男がもう一つの藁人形を手に持ち再び赤いオーラが包み込み一人の魔法使いの姿になる。


「ニウム様、お久しぶりでございます」

「ふふふっさぁ楽しいショーを堪能しようじゃないか」


魔法使いは地面に魔方陣を作り出し二人の姿は消える。

ゴンザレス太郎達を追いかける偽サラ。

新たなる波乱の幕開けであった。

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