第60話 聖女様、ゴンザレス太郎に会う
「っで16進数ってのは何なんだい?」
「へっ?あっマコトさん!」
すぐ後ろにマコトがいつのまにか立っていた。
そしてすぐ横には見かけない少女が居た。
「あれっ?そのぬいぐるみ…」
ゴンザレス太郎はその胸に抱かれた犬のようなぬいぐるみに見覚えがあった。
そう、それは回り巡って再びゴンザレス太郎の前に戻ってきたのだ。
「?お兄ちゃんがゴンザレス太郎さん?」
「あぁ、うん、君は?」
そう聞いた時に近くに居た冒険者が突然少女を見て驚き膝をついて…
「せ、聖女様!」
その言葉を皮切りにギルド内が騒がしくなってきたのでマコトに連れられてギルドを出るのであった。
マコトに連れてこられたのはちょっとした空き地であった。
大通りからは少し外れ奥まっている為に人は殆んど来ないその場所でマコトはゴンザレス太郎に突然両手を合わせ…
「すまん、ゴンザレス太郎!実は頼みがあって…」
突然そんな事を言い出すマコトの服を掴んで首をフルフルと振る少女。
何がなんだか分からないゴンザレス太郎は横にくっついてるフーカと同時に首を傾げる。
「とりあえず話だけでも…なっ?」
マコトのその言葉に少し考えた後渋々頷く少女を見てニッコリ笑顔になって話始めるマコト。
「実はこの娘、サリアって言うんだが前にラストエリクサー使った事があっただろ?あの時から聖女様って呼ばれててこないだの魔物の件でもこの娘の名前を借りてゴンザレス太郎のスキルを隠したんだ。」
マコトの話によるとそれ以来聖女様の加護を少しでも受けようと次々に人が押し掛けて今お世話になってる老夫婦にも迷惑が掛かって家に居られなくなってきて現在はマコトが匿ってるという話であった。
「っでだ、なんとか出来ないかと思って相談に来たわけ何だが…」
ハッキリ言って無茶振りもいいところである。
「それにな、この娘を捨てた家族が手のひらを返して自分達の家族だと主張し始めて町中も彷徨けないんだ」
しかしこんな事をどうにか出来るのは未来から来た狸型のロボットか人の記憶を操れる宇宙人対策組織の黒服の人達くらいだ。
「もういっそ他の町に引っ越すってのは?」
フーカが口を開いて聞いた。
一応サリアが嘘を言ってないか確かめる気のようだ。
「私一人じゃ生きていけない…」
その言葉は本心であった。
事実ラストエリクサーの効果で五体満足な体になり健康体にはなったが少女が一人で生きていくにはこの世界は厳しすぎる。
だがフーカはサリアがフーカの質問にマコトの腕をギュッと握ったのを見て嬉しそうに…
「マコトの事が好きで離れたくないのね?」
「えっ?!いえっそんな…こと…ごにょごにょ…」
フーカはサリアがマコトにぞっこんなのを理解し何とかしてあげたくなった。
サリア、成長は遅いが実はゴンザレス太郎やフーカと同い年の7歳だったりするが知らないフーカは…
「分かったわ!お姉ちゃん達に任せなさい!」
っと勝手に約束してしまうのだった。
※16進数とは1つの桁が16で次の桁に上がる数値である。
普段日常で使われているのは10進数で0~9まで10種類が終わると次の桁に行く。
分かりやすく2進数で説明すると、0と1しか使わないので0の次は1でその次が10そして11、100、101、110、111、1000となる。
プログラミングとかを学ぶ上で必要な知識ですので覚えておくといいかも。
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