第16話 佐伯健二倒れる
兄健一の行き付けの居酒屋に到着した健二は久し振りに合う健一の姿を見つけ席に着く。
思えば色々な事があった。
良い機会だと健二は兄に今までの話をすることに決めた。
まるで嘘のようなその話を健一は真剣に聞いた。
多少ボカした部分かあったが自分が65歳で死んで人生をやり直したという話を兄は真剣に聞いてくれた。
兄自身も15年前のあの日弟が突然変わったのを理解していたのだ。
特に母が亡くなった事に繋がる大地震の予知の理由にやっと納得した。
そんな不思議な話だか兄は心につっかえていた何かが取れるように納得する。
そして、その事は誰にも言わないように健二に伝えやり直してても医者を目指してここまで来たお前は自分の力でそれを成し遂げたんだからと弟を褒め称えた。
その言葉に兄が本当に兄で良かったと心から喜んだ兄弟の前に注文していたビールが届く。
健二はそれを手に取り兄と乾杯っと手を伸ばしたまま前のめりに倒れるのであった。
救急車で運ばれた病院に親族が集まりベットの上でまるで寝ているだけに見える健二の前で医者から告げられる結果。
外傷も診察結果にもなんの異常もなく酒も飲む前で完全に原因不明。
脳も通常通りで光や刺激に反応を示すが健二は意識を取り戻さない。
今日突然目覚めるかもしれないし目覚めないかもしれない。
完全に謎の植物人間となってしまった健二の周りで泣き崩れる川崎のお腹には新しい命が脈付いているのだった…
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