手紙を書いてみる。

僕は本屋で購入した教書をひらいた。

当然ながら、全く意味がわからない。

付属のCDをパソコンに入れて、

とりあえず聞いてみた。

 スピードラーニング…?

いや駄目だ。全く頭に入ってこない。次は単語を書いてみる。まぁ簡単ではない。

 ある一文が、僕の目を引いた。


「一緒に飲みに行きませんか?」


 古典的そして滑稽で安易な、しかし一番確実に、燕ちゃんを誘えるやり方。とにかくそこらにある適当な紙に書いてみる。いや丸写ししてみる。

 さてこれをいつ渡す?自然に気取らず、最悪断られてもいかにクールにかえせるか。

…なんか純粋な高校生的な行動。40前なのに。

このあと気まずくなったらどうしよう。

相手にされなかったら?

軽蔑されたら、

パワハラで訴えられたら…。

えーい悩むな。駄目で元々∵。

などと悩んでいると、突然神は訪れたのだ。

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