1-19 ナナとフィリアにばれてしまったようです

 ナビーにバレたと聞かされた俺は、どうしたらいいものか思案に暮れている。

 MAPでは暗殺者は、俺の今いる屋敷の近くに潜んでいるようだ。


「サリエ、暗殺者は屋敷の近くで潜んで待ち伏せしてるようだ。【テレポ】で直接部屋に飛ぶね」

「ん、分かった」


 人気のない路地裏に入り、サリエと手を繋いで部屋にテレポで移動する。


「サリエ、僕の帰宅を屋敷の皆に知らせてきてくれ。僕は疲れたから少し部屋で休んでいるよ」

「ん、了解」



『さて、ナビーどうなってる?』

『……マスターが部屋を出た後の2人の会話を動画で見てみますか?』


『ああ、頼む』




「ねぇ、ナナ。今からおかしなこと言うけど怒らないでね」

「うん、フィリア。多分ナナも同じ意見だと思う……」


「「あの人だれ?」」


「「……」」


『これバレてるジャン! どうしよう……』

『……まだ続きがあります』




「やっぱり? フィリアはどの辺がおかしいと思ったの?」

「間違いなくリューク様なのですが、何か違和感があるのです」


「だよね。兄様なのに兄様じゃないみたいな? 中身が別人になっちゃった感じ?」

「うん、まさにそんな感じ!」


「でも兄様なんだよね……ナナの足も治してくれたし」

「うーん、匂いがちょっと違うような気がする」


「あ、それナナも思った! ほとんど同じなんだけどちょっと違うよね? 前より良い匂い?」

「そうそう! 同じアクアマリンでほとんど変わらないのに、ずっと嗅いでいたい感じだった」


「記憶の影響なのかな?」

「おそらくそうでしょうね。何かに乗っ取られたとか精神支配を受けている気配は全くないのよね」


「フィリアが言うなら間違いないよね」

「このことゼノ様に言わなくて良いかな?」


「なんて言うのよ? 別人かもしれないとか言うの? 父様も母様も生き返ったことを喜んでいるのに怒られちゃうよ?」


「黙って様子を見るの? 明日また来てナナの裸を見て体を触られても平気?」


「兄様じゃないと思ったら死ぬほど嫌だけど、ちゃんと足も動いてるしね。お医者様に診てもらったと思えば我慢できる……」


「それもそうか……お医者様として考えれば凄い存在だよね? この国で1番じゃないかな? うまく誘導して、セシア様を診てもらうとかありじゃない?」


「セシア母様か……最近とくに調子悪そうだものね。フィリアでも分からないのでしょ?」

「うん、聖魔法は病気には効果が薄いからね。水系回復の方が病気には効果があるんだけど、マリア様でも一時凌ぎなのでしょう?」


「そうなのよ、明日偽兄様を連れてって診てもらおうか?」

「偽兄様って! まだ決まったわけでもないのに、酷くない?」


「フィリアはあの人愛せるの?」

「他人と思ったら無理かな……わたくしはリューク様が好きなの」


「じゃあ、婚約は破棄ね!」

「なんでそうなるのよ!」


「だって無理なんでしょ?」

「ナナはどうなのよ?」


「分かんないよ……」

「ちょっと泣かないでよ……グスン」


「フィリアだって泣いてるじゃない……」

「本当に別人なのかな? グスッ……」


「明日もう1回兄様を観察してみよう。記憶障害の影響とかで、すぐ元に戻るとかだと良いね」

「うん…………ナナの足も治るといいね」




『これもう駄目だな……すごいな彼女たち。俺、娘が中身だけ入れ替わっていても見分ける自信ないよ。下手したらそのまま一生分からないかもしれない』


『……もう割り切って治療だけしてあげれば良いのではないですか?』

『そうだね。気まずいけど、俺の記憶の中にはちゃんとリューク君の意志みたいなモノが残っていて、是が非でも治してあげたいって気が確かにあるもんな~』


『……やはり記憶に人は引きずられるものですか?』

『うん。魂は違うのに、フィリアに対する恋愛感情もちゃんとあるし、ゼノさんやカイン君、マリアさんセシアさんミリムさんに対する家族愛もある』


『……ここで悩んでも仕方がないですね。すべては明日です』

『だな……サリエを呼んで、レベルが上がったからステータス整理しておくよ。ラエルも活発に動き出してるようだしね』




 サリエにメールを送り部屋に来てもらった。


「サリエ、ステータスの整理しておこうか。そろそろラエルとの決戦も近いしね」

「ん、分かった」




 【リューク・B・フォレスト】

   HP:3765

   MP:3576

 レベル:28

  種族:人族

  性別:男

  年齢:15

  職業:魔法剣士


  攻撃力:3128            

  防御力:2963

  敏捷力:2485

   知力:3127

  精神力:2484

    運:1975

  魅力 :2753


   SP:0

   AP:6387


 《スキル》

  中級魔法

   火属性:【ファイアラボール】Lv10【ファイアラスピア】Lv10

       【ファイアラウォール】Lv10

   水属性:【アクアラボール】Lv10【アクアラウォール】Lv10

       【アクアラスピア】Lv10【アクアラカッター】Lv10

       【アクアラヒール】Lv10【アクアラキュアー】Lv10

   風属性:【ウィンダラボール】Lv10【ウィンダラウォール】Lv10

       【ウィンダラスピア】Lv10【ウィンダラカッター】Lv10

   雷属性:【サンダラボール】Lv10【サンダラスピア】Lv10

   土属性:【ストーンラボール】Lv10【ストーンラバレッタ】Lv10

       【ストーンラスピア】Lv10


  初級魔法

   火属性:【ファイアボール】Lv10【ファイアスピア】Lv10

       【ファイアウォール】Lv10【ファイアシールド】Lv10

   水属性:【アクアボール】Lv10【アクアウォール】Lv10

       【アクアスピア】Lv10【アクアカッター】Lv10

       【アクアヒール】Lv10【アクアキュアー】Lv10

       【アクアシールド】Lv10

   風属性:【ウィンドボール】Lv10【ウィンドウォール】Lv10

       【ウィンドスピア】Lv10【ウィンドカッター】Lv10

       【ウィンドシールド】Lv10

   雷属性:【サンダーボール】Lv10【サンダースピア】Lv10

   土属性:【ストーンボール】Lv10【ストーンバレッタ】Lv10

       【ストーンスピア】Lv10



  生活魔法:【ファイア】【アクア】【ウィンド】【サンダー】【ストーン】

       【ライト】【クリーン】



 《オリジナル魔法》

  特殊支援系

   【インベントリ】【ナビシステム】【カスタマイズ】

   【殺生強奪】【無詠唱】【自動拾得】【ホーミング】

   【オートリバフ】【リストア】【ボディースキャン】

   【アクアフロー】【細胞治療】【テレポ】

   【魔糸】【魔枷】【重力操作】【エアーコンディショナー】

   【並列思考】Lv5【多重詠唱】Lv5【高速思考】Lv5

   【獲得経験値増量】Lv10【獲得AP増量】Lv10

   【獲得HP増量】Lv10【獲得MP増量】Lv10

   【周辺探索】Lv10【詳細鑑定】Lv10【嗅覚鑑定】Lv10

   【マジックシールド】Lv10【プロテス】Lv10【シェル】Lv10

   【魔法消費量軽減】Lv10      


   戦闘支援系

   【隠密】Lv10

   【気配察知】Lv10

   【魔力感知】Lv10

   【嗅覚強化】Lv10        

   【聴覚強化】Lv5

   【忍足】Lv10

   【身体強化】Lv10

   【俊足】Lv10

   【魔力操作】Lv10

   【腕力強化】Lv10

   【将の咆哮】Lv10


   戦技系  

   【剣聖】Lv10

   【槍聖】Lv10    

   【棒聖】Lv10

   【弓術】Lv10

   【拳聖】Lv10

   【格闘術】Lv10

   【馬術】Lv10





 【サリエ・E・ウォーレル】

  HP:3106

  MP:3978

  レベル:32

  種族:ハーフエルフ

  性別:女

  年齢:15

  職業:1st魔法剣士・2nd魔術師


  攻撃力:2875            

  防御力:2966

  敏捷力:3654

   知力:3728

  精神力:3287

    運:2811

  魅力 :2153



 《スキル》

  中級魔法

   火属性:【ファイアラボール】Lv10【ファイアラスピア】Lv10

       【ファイアラウォール】Lv10

   水属性:【アクアラボール】Lv10【アクアラウォール】Lv10

       【アクアラスピア】Lv10【アクアラカッター】Lv10

       【アクアラヒール】Lv10【アクアラキュアー】Lv10

   風属性:【ウィンダラボール】Lv10【ウィンダラウォール】Lv10

       【ウィンダラスピア】Lv10【ウィンダラカッター】Lv10

   雷属性:【サンダラボール】Lv10【サンダラスピア】Lv10

   土属性:【ストーンラボール】Lv10【ストーンラバレッタ】Lv10

       【ストーンラスピア】Lv10


  初級魔法

   火属性:【ファイアボール】Lv10【ファイアスピア】Lv10

       【ファイアウォール】Lv10【ファイアシールド】Lv10

   水属性:【アクアボール】Lv10【アクアウォール】Lv10

       【アクアスピア】Lv10【アクアカッター】Lv10

       【アクアヒール】Lv10【アクアキュアー】Lv10

       【アクアシールド】Lv10

   風属性:【ウィンドボール】Lv10【ウィンドウォール】Lv10

       【ウィンドスピア】Lv10【ウィンドカッター】Lv10

       【ウィンドシールド】Lv10

   雷属性:【サンダーボール】Lv10【サンダースピア】Lv10

   土属性:【ストーンボール】Lv10【ストーンバレッタ】Lv10

       【ストーンスピア】Lv10


  生活魔法:【ファイア】【アクア】【ウィンド】【サンダー】

       【ストーン】【ライト】【クリーン】



 《オリジナル魔法》

  特殊支援系

   【インベントリ】【無詠唱】【ホーミング】【オートリバフ】

   【リストア】【テレポ】【細胞治療】【ボディースキャン】

   【アクアフロー】【魔糸】【魔枷】

   【重力操作】【エアーコンディショナー】

   【マジックシールド】Lv10【プロテス】Lv10【シェル】Lv10

   【魔法消費量軽減】Lv10【周辺探索】Lv10【詳細鑑定】Lv10     


   戦闘支援系

   【隠密】Lv10【気配察知】Lv10【忍足】Lv10

   【身体強化】Lv10【俊足】Lv10

   【魔力操作】Lv10【魔力感知】Lv10

   【腕力強化】Lv10【将の咆哮】Lv10


   戦技系  

   【剣鬼】Lv10

   【二剣流】Lv10

   【拳聖】Lv10

   【格闘術】Lv10

   【馬術】Lv10

   【弓術】Lv10

   【槍術】Lv10



「サリエに今回コピーしたのでヤバいの教えとくね【リストア】【テレポ】【細胞治療】【周辺探索】【詳細鑑定】がちょっとヤバ系なんで説明しておく」


「ん! 凄い! 普通の魔法使いよりいっぱい!」


「まぁこの際だからね。順番にいくね。【リストア】は武器を新品にしたやつね。でも僕のとはちょっと違ってサリエのは劣化版になっているみたいだね。僕のは神のシステムと直結だけど、サリエのは手動で時間指定しないといけないようだ。発動時に『1時間前に戻す』みたいにイメージして使ってね。戻す時間によってMPを使うから最初は少しずつ戻すように。一気にやって魔力枯渇でぶっ倒れないようにね。【テレポ】もMP注意だよ。【細胞治療】これは今日ナナに使ったやつね。【ボディースキャン】【アクアフロー】とセットで使うんだけど、よほどじゃない限り治せちゃうから人前であまり使わないようにね。ここまでで質問ある?」


「ん、【細胞治療】の使い方が分からない」


「僕のは音声ナビで教えてくれるけど、サリエのは【ボディースキャン】したら、【クリスタルプレート】の人型に出ている色(異常個所)をクリックすると、画面に病名なんかの説明文が出るからそれの指示に従って使えばいいよ」


「ん、使ってみないと分からない」

「まぁそうだろうね。次は僕の探索魔法と鑑識魔法の合わせ技での凄いヤツなんだけど【周辺探索】【詳細鑑定】で大抵のものが分かっちゃうから便利だよ」



 ・自分を中心にサークル状に詳細索敵する

 ・MAP化し光点で敵味方をリアルタイムに確認できる

 ・オリジナル地図が作れる(通過したエリアの自動マッピング・転移地点の登録)

 ・罠、宝物の探知警告

 ・マーキングできる。永久的に追跡可能、MAP範囲内に入ると警告

 ・光点の色分けで判別可能

   ・魔獣:赤

   ・敵(人):赤点滅

   ・PT:青

   ・無関係者(接点なし者):白   

   ・マーキング:緑点滅

   ・罠:黄色点滅

   ・宝物:青点滅


「【テレポ】は、この機能でマーキングしておかないと移動できないから注意ね。この部屋もマーキングしといてね。【周辺探索】を使ってみて、屋敷の外の物陰に人がいるからそれをクリックしてごらん」


「ん、居た。アサシン! 犯罪履歴に殺人、誘拐、脅迫ってある。名前も分かる、凄い!」


「そいつが暗殺者だよ。僕のMAPでは赤点滅してるけどサリエの方はどうなってる?」

「ん、赤点滅」


「サリエにも危害を加えようとしてるってことだね。探索エリアは最大で10kmだけど十分でしょ? MAP上に他にサリエに敵意を示してるやつはいる?」


「ん、ラエル」

「ラエルだけ? 騎士は?」


「ん、赤点滅は暗殺者とラエルだけ」

「そっか~、良かった。関係ないとこでサリエに殺意を持ってる奴がいたらちょっとショックだったから良かったよ。騎士も流石にこんな可愛いサリエに殺意はわかないみたいだね。赤表示にはマークを入れといてね。マークを入れておくと危険域に入ったら自動で警告をしてくれるので、MAPの確認遅れで不意打ちを食らったりする可能性が減らせるからね」



 一通り説明し、もう1人気になる人に会いに行く。



「夕飯まで時間がかなりあるから、ちょっとセシア母さんの治療に行こうと思う」

「ん、分かった。セシア様は今どこにいるの?」


「調子が悪くて、実家に帰れないで本邸にいるようだね」

「ん、暗殺者はどうするの?」


「こっそり裏口から出れば撒けるでしょ」

「ん、暗殺者も探索魔法持ってたら?」


「多分持っていないよ。それにシールド掛けとけば大丈夫でしょ。襲ってきたら仕方ないので捕縛するけどね」

「ん、【魔糸】と【魔枷】早く使いたい」




 調子の悪そうなセシア母様の治療のため本邸に向かうのだった。

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