この際だからいう?

0118

 死にたくもなく生きる理由もまぁそれはゲームだ。いろいろとわかってしまえば、まぁ人生というものは単純で、そしてもちろんメカニズムがある。ちゃんと神経細胞が働いていろいろな機能を果たしている。

「おつかれさまです」

 神経細胞は神経細胞にそういわせる。一千数百億の神経細胞が何をしているのか。どうしてそんなにたくさんあるのかと僕は疑問に持っていたが、逆に僕はどうしてそんなにたくさんあるのかと思う。

 過去を記憶することにいったいどれほどの数の神経細胞を費やすのだろう。僕は一個の個体で体は勝手に成長し、老いていく。筋肉を動かすのに、感覚で物事を認識するのに、欲求を引き起こすのにそれほど必要だろうか。記憶とはこれらすべてを記録する。世界で感じたすべてを保存し、行動を修正する。


0119

 報酬がストレスを軽減するのなら、僕の詩にも小説にも音楽にも価値はあるだろう。

 久々に小説を描いてみようかと思う。


 青い星が空に見える。宇宙に光輝く。星たちの煌めきは一瞬だ。地上で彼女と夜の散歩デート。二人で手をつないで。

「やっぱりつがいが欲しかったのね」

「なんとなくだが」僕は切り出す。

 彼女はきょとんと僕の方をみる。

「僕は誰かのために生きているような、そして自分が最適に生存できる環境を作り上げている気がする。」

「最近落ち込んでるのよ」

「時間がたてばストレスは軽減するさ」

 ふわりと風船が宙にまった。子供が手放してしまったのだ。風船は夜空へと舞い上がる。子供は泣いていた。

 冬の草木の枯れた公園の広場で、僕たちはウイスキーをかわるがわる飲んでいた。夜の街灯やビルの明かりに照らされながら。

 月のない夜に二人でお酒を飲み続けた。

「最近僕は疲れている。でもなんだろう呪縛から解放されたようだ」

「欲望があるのなら、そこへ向かうべき」

 どこかで聞いたことがある気がした。エヴァンゲリオンの綾波レイみたいだった。彼女がぼんやり、していると、遠くから声が聞こえた。

 面影を追い続けている。

「記憶がこんなにも美しいのは、そして光り輝くのは」

「まだ先の話だろうね」

 ぐでんぐでんに酔いながら、同棲しているマンションに帰り、布団の中に二人でくるまりながら、話をした。

「結局は何?」

「実存だよ」

「実在は?」

「maybe」




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辛いときは喉元すぎれば熱さ忘れるといいますね。

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