男の子
京都のあるホテルのバーカウンターにて
一樹はすっかり酔いが回っている
あかり「あはは、なにそれ」
一樹「いや、だってあいつが急に来るから」
あかり「他に方法いくらでもあったでしょ」
一樹「いや、あの時はあれしか思いつかなかった。そんなん考える余裕なかったし」
あかり「あー、おもしろい。一樹はそうゆうとこ抜けてるよね」
一樹「いや、あれは誰でもああなる」
あかり「はいはい」
一樹「僕はベストを尽くした」
あかり「はいはい」
一樹「僕は」
あかり「はいはい。そういえばなんか一樹も資格取るとか言ってたよね?」
一樹「えらい急だな。取るよ。今勉強してる」
あかり「なんの資格?」
一樹「簿記」
あかり「なんで簿記なんか取るの?」
一樹「今調査団の人件費削減されててお金を扱う人が雇えなくて僕がやることになったから」
あかり「へ~、調査団も大変なんだ。意外」
一樹「会社みたいなもんだよ。一人一人の人件費がかなり高いから仕方ない」
あかり「そうなんだ。じゃあその一人一人の人件費を減らせばいいんじゃないの?」
一樹「それはイヤ」
あかり「えーわがまま」
一樹「それをするくらいなら僕が簿記を取って経理をした方がまし」
あかり「ふーん、他の人たちは?」
一樹「堺さん以外みんなイヤって言ってる。みんな変わり者だから。堺さん以外は」
あかり「簿記何級取るの?」
一樹「・・3級から取ろうかなって考えてる」
あかり「慎重だね。意外」
一樹「簡単そうな試験程不安なものはない」
あかり「あー、それはわかる。私も簿記2級取った時そんな感じだった」
一樹「え、2級持ってんの?」
あかり「持ってるよ。だって私経理だもん」
一樹「え、そうだったけ」
あかり「そうだよ」
一樹「3級は?」
あかり「私は2級から始めた」
一樹「そうなんだ。それはすごいね」
あかり「ありがとう」
一樹「おめでとうございます」
あかり「ありがとうございます」
一樹「へぇ〜、そうなんだ」
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