あかり

僕の名前は一樹と言います。


ジョージョ探索チーム「みらい」のメンバーです。


昨日は夕日が綺麗でした。


昨日は大変でした。


僕とたまねぎは駄菓子屋のおばあちゃんの情報をもとに再度たまねぎ邸で作戦を立て直しました。


まず探索範囲の拡大および絞り込みです。探索範囲を町外に広げ、その中からどこをたどるかです。


「町外でジョージョくんが行きそうなところに心当たりはあるかい?」


「んー、、あっ、そういえば一ヶ月くらい前に動物園にジョージョと家族と行って、ジョージョがそこにいたペンギンが気になるって言ってたよ」


「そこだ。行ってみよう。何かあるかもしれない」


「でもあそこは少し遠いんだ。歩いて行ったとは考えにくいよ」


「駄菓子屋の向こう側には駅があるし、電車を使った可能性も考えられなくはない」


「ジョージョが電車に?」


「今はそれしか手がかりがない」


「うん、そうだね。行こう!」


僕とたまねぎは町外の動物園に行く計画を立てました。


「今日はもう遅いからまた明日」


「うん、また明日」


僕とたまねぎはたまねぎの家の前で別れました。


家に帰る道中、後ろから僕を呼ぶ声がしました。


「かずきくん!」


あかりちゃんです。


「奇遇だね!」


「うん、奇遇だね」


「どこか行ってたの?」


「うん、たまねぎの家に」


「ふ〜ん、かずきくん、ジョージョくんのことはもう大丈夫?」


「うん、大丈夫だよ」


「ん〜、嘘ついてるね」


「え?」


「かずきくんは嘘をついています」


「僕は大丈夫だよ。ありがとう」


「そっか、夕日、キレイだね」


「うん、キレイだね」


僕の名前は一樹と言います。


あかりちゃんは不思議な女の子です。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る